2007-09-10

キプロスの第一印象、それは恐怖


2007.09.10 PM6:20

 アンカラを00:15に飛び立った飛行機が、北キプロスのErcan Havaalani(エルジャン空港)に到着したのは02:25。暗いなかタラップを下りて、徒歩で空港内へ。イミグレーションを通過し、外へ出るとお出迎えの人たちがワンサカいました。……が、わたしにお出迎えはなく、そのままタクシーの並んでいるところへ。「タクシー?」の問いに「Evet/エベット(そう)」と答え、そのままタクシーに乗りました。

 ホントはこんな遅い時間にタクシーに乗るのは危険かもしれないから、空港で一夜を明かそうかとも考えていました。でも、キプロスでの休暇は翌日の1日だけ。翌々日の朝10時には空港入りしないといけないし、ホテルで休まないと観光もできないと考え、タクシーに乗る方を選んだのです。

 ところが、ここでキプロス不信が始まります。タクシーの運ちゃんは若い兄ちゃんだったのだけど(これが、そもそもイヤだった。おじさんが良かったのに)、こいつがどうしようもない。行き先を告げて走り出したのも束の間、すぐにタクシーを止めて「横に座れ」と言い出したのです。なんで? なんで、アンタの隣りに座らなきゃいけないの? とはいえ、変なとこに連れて行かれても困るから愛想良く笑いながら「いいよー、日本じゃタクシーの客は後ろに座るのがフツーなの」とか「あぁ、でもトルコじゃあ男の人がよく運転手の隣りに乗ってるよね」とか話題を変えながら、なんとか後ろに座ることに固辞しました。ようやく走り出したタクシー。でも、外は真っ暗。いったい自分がどこにいるのかも、まったく分からない。運ちゃんの軽口になんとなーく合わせながらも警戒心200%。早く着かないかなー、着かないかなーと思っても、なかなか着かない(空港からホテルのある街は30キロ以上あるので結構かかる)。しかも、運ちゃんは話をするときに後ろを向くので、めちゃくちゃ怖い。前を向け、前をっ! 危ないじゃん。わたしゃー、こんなとこで死にたくないんだよー。……と思っていたら、運ちゃんが「え? 聞こえない。聞こえないから前に来て座れ」と、再びこの話を持ち出してくる。しつこいな、お前。。。また「イヤだ、イヤだ」と言い張って、やっと走り出してくれたものの、心のなかはマイナス200℃状態。真剣にヤバいと思いました。だって、空港からも離れた場所だし、まわりにもなーんもない。真っ暗な田舎道。運ちゃんの機嫌を損ねて放り出されたりなんかしたら、わたしはどうすればよいの? かと言って、この運ちゃんの車に乗ってること自体が危険な感じ。早く着いてくれー、着いてくれー、とそればかり願っていました。

 で、ようやく城壁の街・Lefkosa/レフコシャ(北キプロスの首都です)へ。城壁らしきモノも見え、あ、着いたのかな? と思いましたが時間が遅いこともあって街は真っ暗。と、そこで突然タクシーが止まります。ホテルに着いたのかな? と思ったら、なんとビールを買ってくるから一緒に飲もうと言い出す。な・ん・で? な・ん・で、わたしがアンタとビールを飲まなきゃいけないの? 「飲まない、飲まない。実際、最近はビールなんて飲んでないんだから(←これは本当)。いいから、ホテルへ行ってよ」「いいじゃん、じゃあコーラにする?」←ホントーにしつこいな、お前。「イヤだ、イヤだ、早くホテルへ行ってくれ!」と、ここでもしっかり言い張って(でも、心の中では超怖かった)、「チッ」と舌打ちされながらも、どうにかホテルへ連れて行ってもらいました。最後の方は向こうも憎まれ口を叩きまくりでしたが、そんなこと知るもんか、です。

 でも、運ちゃん。ひとつだけ誉めてあげようと思います。料金は44.5TRYだったので、とっととタクシーを降りたかったわたしは、50TRYを渡して即降りようとドアを開けたのです(1秒でも早く降りて、ホテルに入りたかった)。すると「待って、待って、お釣りがあるから」と、5TRYを渡してくれました。この時間で、あんだけ態度悪かったのに、取ったチップはわずか50クルシュ。ここだけは誉めてあげたいと思います。ボッタクリもしてなかったし(帰り、ホテルから空港への料金は40TRYだった。つまり夜料金で45TRYは正当な料金ってこと)。

 はぁ〜、やっとホテルに着いた。休める〜と足を踏み入れると真っ暗。レセプションのコンピュータだけがわずかに光っていました。なんだ? 「ここ、サライホテルですか?」「はい」「予約している◎◎ですが……」「そんな予約はありませんね」「・・・」「泊まれますよ、1泊100TRYで、2泊なら200TRYです。いま払いますか?」「(えー??? 予約のときは1泊90TRYって言ってたじゃーん。でもこの時間で選択肢はなし)じゃあ、カードで」「あー、いま電気が故障しててね。機械が使えないんですよ、じゃあ明日の朝ってことで」……といったやり取りのあと、部屋へ。もちろん部屋の電気も点きません。当たり前ですがテレビも。仕方なく、携帯電話を光源にして顔だけ洗い、ベッドへ……。な、なんなんだ、ここは。タクシーは態度悪いし、予約したホテルで予約がないと言うし、おまけに電気まで点かない。こうして、北キプロスという国に対するイメージはガラガラと音を立てて崩れ落ち、飛行機に乗るときより、さらに暗い気分で眠りについたのでした。

 写真はキプロスの夜(というか夕暮れ後、夜8時過ぎ)。到着した日じゃなく、次の日の夜、ホテル最上階から近辺を撮ったものですが、到着した時はこれより、手前右に見える建物がある辺りよりさらに暗い感じでした。だって、ホテルの電源がすべて落ちてるんですから。なんでコンピュータだけ点いてたのか不思議だけど。
 それと、別に北キプロスが悪い国と言っているわけではありません。あくまで、自分の体験に基づいたことを書いているだけなので、誤解のないように。ただ、キプロスに行かれた際に深夜のタクシーはオススメしません(女性は特に)。

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