2008-09-22

Turgut Ozakman Hoca'dan mesaj geldi.

2008.09.22

 今朝、emailをチェックすると、以前にここで取り上げた小説『Su Cilgin Turkler/トルコ狂乱』の作者Turgut Ozakman/トゥルグット・オザクマン氏からメールが来ていました。8月のはじめ、この本を初めて手にして一気に読破し、本にオザクマン氏のメールアドレスがあったので本の感想を書いて送ったのですが……あれから1ヶ月余り。やっとやっと返事が来ました。

そこにも、こう書かれていました。
「救国戦争/独立解放戦争は、国民のサポートと参戦がなければ、決して勝ち得ることはなかった」

それは別にアタチュルクを軽視するものではありません。トルコ建国の父という彼への敬称は間違いのないものですが、その彼の背中を押し続けたのは、間違いなくこの戦争で“トルコ国民”であることを自覚し、祖国救済への人的、物的サポートを惜しまなかったアナトリアの人々でした。決して裕福ではなく、自らも貧しい生活を強いられてきたにも関わらず、祖国救済に邁進した彼らの姿は、驚嘆と尊敬なしに見ることはできません。

現在、トルコ共和国は建国から80余年が経ち、ある種の岐路に立っています。建国の際に決別した(でも、それは否定したのではないと思います。あくまで国政への干渉を断ち切るという意味で)宗教が、政治の表舞台に立ち始めています。これからトルコがどう変わるのか、その選択は政治家でもなく、もちろん首相や大統領でもなく、やはり普通のトルコ人、トルコ国民にゆだねられているのではないかと思っています。彼らがどいいう決断をするのか、非常に気になるところです。

2008-09-08

Biz Turk'uz/最近見つけたトルコなサイト

2008.09.08

 すでにご存知の方がいらっしゃるのかもしれませんが、最近こんなサイトを見つけてしまいました。その名も「We Are the Turks」
※Babelfishのウェブページ翻訳機能が付いているので、無理矢理の日本語翻訳文も読めます(英語以外12カ国語あり)

 先日、トルコ人の友人からMuhtar Kentというトルコ人が、現コカコーラ社の最高経営責任者(いわゆるCEOってやつですね)なのだ……という記事が送られてきました(←このへんがトルコ人らしい。「オレたちすごいぜっ的な感覚というか)。この記事というのはWikipediaの記事で、ひととおりザッと読んだあと下段の“その他リンク”のところを見ると「We Are the Turks」というサイトが。

 さっそくのぞいてみたところ、
 「2005年5月にスタートした“私たちはトルコ人である”サイトは、世界中のあらゆる場所で暮らし、あらゆる職業において独自の功績をあげたトルコ人の経歴を紹介することを目的としている。
 すでにトルコ語では似たようなサイトが多数存在するが、外国語ではない。トルコ語を話さない人々に提供するため、われわれはグローバル言語である英語を選んだ。バイオグラフィーのほとんどは、インターネット上に存在するサイトから取ってきたものである。また、わたしたちに送られてきたバイオグラフィーが英語である限り、そのまま掲載している。というのも、このサイトはボランティア運営であり、英語に翻訳する時間もないので。
 このサイトは、“アタチュルクの娘たち”の創始者セマー・カラオールと、『ターキッシュ・ダイジェスト』のオーナーであり編集者のメルテム・ビルケグレンにより運営されている。」
 ……とありますから、それなりの編集責任をもって運営されているようです。つまり「オレたちトルコ人だぜっ」的な軽いノリではなく、トルコ人としての誇りを表現しているサイトと言えるのかもしれません。英語を運営言語としているため、内に向けたサイトではなく、トルコという国、人への正しい理解を求めているようにも感じられます。

 ところで、前述のMuhtar Kent氏ですが、当の本人も去ることながら、その父上Ismail Necdet Kent氏もなかなかの人物のよう。Wikipediaを見ると「Turkish Schindler/トルコのシンドラー」とあり、第二次世界大戦中に自らの命を危険にさらしつつユダヤ人を助けたトルコ大使だったようです(日本人で言うなら、杉原千畝氏ですね)。そんな父上の職業ゆえ、Muhtar Kent氏はニューヨーク生まれ(当時父上が総領事だったため)。トルコのメルシンにあるアメリカン・カレッジ卒業後、英国で学び、博士号とMBAを取得。トルコで兵役を終えたのち、1000ドルを持ってアメリカに渡り、現在はコカコーラ社の最高経営責任者というわけです。ちなみに、彼が初めてコカコーラ社に仕事を見つけたときは、新聞広告を見て……とのこと。コカコーラ社のトラックに乗って国中をセールスに周り、そのなかでコカコーラの販売流通、マーケティングを学んだと書いてありますから、叩き上げと言えるでしょう。

 ちなみに、いま同サイトを訪れると筆頭に出てくるのは、Hakan Gursuという商業プロダクト・デザイナーなのですが、彼は日本で博士号を取得し、東京での就業経験もあるよう。プロダクトデザインの国際的なコンテストでも受賞歴があり、そのなかでも特筆すべきは“日本インダストリアルデザイナー協会”での受賞だそうです。現在はトルコの中東工科大学の講師。
 トルコ人で、しかも日本と関係があるというだけで、ちょっとうれしくなってしまいました。

 ところで、日本人でこういうサイトはあるのだろうか……と思って、ちょこっと調べてみましたが、個人のブログで取り上げられている程度で、こうした組織的なものはありませんでしたが、オリコン・ランキング(2007年9月のランキング)で「世界に誇れる日本人ランキング」のはありました。誰が選ばれているのか、気になる人はリンクをクリックして確認してみてください。