2008-06-25

iki ulke, bir yürek

2008.06.25


 今夜(日本時間27時45分)にEURO2008準決勝、ドイツ vs トルコ戦がキックオフとなります。

 そのまえに、いつも取り沙汰される話について書きたいと思います。日韓W杯のときにもトピックになったことです(ドイツW杯には出場できなかったので話題にならなかったけど)。そして、EURO2008準決勝を迎え、再び外野がうるさくなってきました。

 ドイツにはトルコ移民がたくさん住んでいます。

 ドイツでは2000年から移民法(国籍法)として従来の“血統主義”に基づくものから“出生地法”を採択しました。もともと、この法案は「ドイツに永住意思のある外国籍の両親のもと、ドイツで生まれた子は出生と同時に両親の国籍とドイツ国籍が自動的に付与される」というもので、二重国籍を認めるものでした……が、野党のキリスト教民主同盟の反対により修正。結果的に、二重国籍は23歳までで、それまでに1つの国籍を選択しなければならなくなりました。

 いまトルコ代表として活躍している選手のなかにもドイツ生まれ、ドイツ育ちの選手がいます。MFのハカン・カディル・バルタはベルリン生まれのベルリン育ちです(確定情報ではないですが、小さい頃はヘルタ・ベルリンの下部組織でプレーしていた模様)。同じくMFのハミト・アルトゥントップはゲルゼンキルヒェン(シャルケ04のホームグラウンド)生まれ。今回代表には選ばれませんでしたが、ハミトの双子の兄弟ハリル・アルトゥントップはもちろん、日韓W杯時には森島寛晃似で話題となったユルドゥライ・バシュトゥルクもドイツのヘルネ生まれで、若いときからドイツのクラブチームでプレーしてきました。


 EURO2008準決勝でドイツと当たることが決定したときから、ハミト・アルトゥントップには「どんな気持ちですか?」といった質問が浴びせられたし、ナショナリストのなかには「ドイツを相手に戦うべきでない」という過激な意見も聞かれました。言葉にせずとも、そういったものを匂わせる質問がたくさん発されました。
 同じ状況は日本にもあります。在日韓国朝鮮人として日本で生まれ育ち、Jリーグで活躍しながら本籍国の代表選手になる者もいれば、日本国籍を取得して日本人としてプレーする選手もいます。ブラジル人には帰化して代表選手になっている人も多いです(現代表なら田中マルクス闘利王がそうですし、三都主アレサンドロやラモス瑠偉、呂比須ワーグナー、解説でおなじみの宮沢ミシェルなど、みんな帰化選手です)。

 私見ですが、彼らはふたつの心を持っているし、ふたつの故郷を持っていると思います。無理矢理ひとつにしろと言う方に無理があると思います。
 ハミトに対して「ドイツが相手だから100%の力で戦えない」とか「ドイツを相手にゴールしたら……(怒」なんてナンセンス。ま、言われてる本人は「またか……」とあんまり気にしていないのかもしれませんが。

 ちなみに、わが日本は“血統主義ー自国民から生まれた子に自国の国籍の取得を承認するもの”であり、単一国籍しか認めていません。基本的に外国籍を取得した時点で日本国籍は放棄しなければなりませんし、日本国籍を取得した時点で外国籍は放棄することになります。とはいえ例外もあり、ブラジルなどは法改正によって国籍離脱証明書を発行しないことにしたので、日本に帰化したブラジル人はブラジル国籍を喪失していません。欧州でプレーするブラジル人やアルゼンチン人のサッカー選手なども、みな二重国籍です。

 ふたつの国籍をもつ……ということはふたつの国の権利を得ると同時に義務を果たさなければならない、ということでもあって簡単な話ではないのかもしれませんが、ブラジルの話を聞くと、それぐらい柔軟(テキトー?)でもいいんじゃないか、という気になります(そもそも呂比須ワグナー帰化をきっかけにブラジルは法改正を行ったのだとか)。トルコもそのへんは柔軟で、たとえ外国籍を取得していても、特殊なパスポートを発行して対応しているようです。どちらが良い、悪いとは一概に言えないけれど、人の心はそう簡単に片方を捨てられるものではないですからね。

2008-06-21

ミラクル♪ ミラクル♪ ミラクル♪

2008.06.21

 EURO2008のトルコはミラクルです。ワンダーです。マーベラスです。これぞミラクル3連発!!!

 EURO2008準々決勝、クロアチア vs トルコ。前評判としては互角でした。クロアチアは3連勝、トルコは劇的な逆転勝利で2試合を制してベスト8へ。予想に違わず互角の戦いだったと思います。DFの後ろに抜ける意識の高いクロアチア(しかも足が速いっ!! )、細かくパスをつなぐスタイルのトルコ。前半は拮抗した試合でしたが勢いはトルコにあるように感じました(贔屓目?)。クロアチアはクロスバーに当たる惜しいシュートもありましたが、前半はパスをつないでゴール前まで……というトルコのサッカーができていたように思います。ただ気になったのがGKのリュストゥ。どうも動きがおかしい。久々の試合で浮き足立っていたのでしょうか? ボールと相手FWと、自分の距離が測れていないというか、飛び出してボールを押さえるのか、ガマンして待って相手の動きを見るのか、判断できずに迷うシーンが多かった。前述のクロスバーを叩いたシーンも、リュストゥの迷いが危険なプレーにつながったもののように見えました。もちろん、そのまえにトルコDFが相手に抜かれてしまってはいたのですが。ま、そうしたスリルもあり、なかなか見応えのある前半でした。

 が、後半。試合のおもしろさがガクンと落ちます。まず、トルコが動けなくなり、パスの出しどころがなくてバックパス……といういつもの悪循環パターンに陥ります。クロアチアも前半ほどの動きがなかったのですが、どちらかというとロングボールを通すスタイルのため何度かチャンスは作っていました。ただ試合そのもののダイナミズムに欠ける45分だったように思います。前半からあまり調子の良くなかったカズム・カズムも交代したのですが代わりに入ったウール・ボラルもいまいち。トルコは何度かピンチを迎えつつも、なんとか無失点のまま延長戦に突入しました。

 延長戦前半はトルコがふたたび勢いを取り戻したように見えました。疲れてはいるのだけど、延長戦に入ってもボール・ホルダーへの執拗なチェックでボールを奪い、自分たちの攻撃につなげていく、という意思が強く感じられましたし。が、両チームともに得点には至らず延長後半へ。ここまで来ると、どこかPKか?という雰囲気が漂います。お互い無理をして得点するよりも失点しないことの方が大切ですから。ところが、残すところ1分、トルコGKリュストゥの信じられないミスで失点(不用意な飛びだしでゴールをガラ空きに……泣)。クロアチアはほぼ勝利を確信して大喜び。そう、片手に準決勝のカードをつかんでいたのです。ところが、その後に我が目を疑うようなミラクルが……。

 ゴールタイムは120+2でした。つまり延長後半の終了とほぼ同時。おそらく最後の攻撃だったと思います。あれで一度流れが切れたら審判は試合修了の笛を吹いていたでしょう。GKリュストゥからの長ーいゴールキック。それを前線でヘッドで競った直後、ニハトの交代で入ったセミヒ・シェントゥルクが奇跡のゴールをあげたのです。残り1分の時点で相手チームに先制された後。試合を見ていた誰もがトルコの敗戦を覚悟したに違いありません。でも、今EUROのトルコは最後まで諦めないのです。蘇るのです。クロアチアの監督ビリッチは審判に抗議をしていました。もう試合終了だったじゃないかと。その気持ちは分かります。ほぼ準決勝進出を確信した直後のことでしたから。※上の写真がクロアチアゴールシーン、下がゴールを決めたトルコのセミヒ。

 これがサッカーです。残酷なスポーツです。あの大きなフィールドを90分ーー今回は120分走り回って、身も心もヘトヘトになるまで戦っているのです。結局、勝負はPK戦に持ち込まれましたが、セミヒのゴールが決まった時点で勢いはトルコにあり。クロアチアの1人目は枠を外しました。3人目も外してしまいました。そして、4人目をGKのリュストゥが止めて試合終了。遂に、トルコは長い長い道のりを経て、EURO準決勝に駒を進めようとしています。対するのはポルトガルを破ったドイツ。でも決して勝てない相手ではないと思っています。※写真はPK4人目を止めたリュストゥ。

 諦めないって、すごい。最後の最後まで戦いつづけるって美しいです。トルコはもちろん、クロアチアの選手たちにも拍手を送りたい試合でした。今回はUefa.comのPay per viewで1試合を買って(15ユーロ)見ました。こうなったら次も買わなくちゃっ!!!

 追記*いま、試合のハイライトを見ました。生放送中は大興奮しているのでそれほど感じませんでしたが、やっぱりPKってのは何とも切ないものですね。120分フルで戦い抜いたあとのPK。オシム前日本代表監督はPK戦を見ないので有名でしたが、やっぱりサッカーをよく知る者としてPK戦のむごさ、切なさを知っているんでしょうね、きっと。でも、クロアチアの選手たちはこの悔しさを忘れないと思います。ビリッチ監督は2010年まで契約を延長しているようだし(欧州のクラブチームからの監督オファーを断って。小国の代表監督なんて給料も知れているのに)、次のW杯ではぜひクロアチアに注目したいと思います。

2008-06-20

Yuzen sehir/フローティング・シティー

2008.06.20

 きょうのRadikal/ラディカル紙で見つけた記事。てっきりトルコの話だと思って読んだのですが、どうやら違うようです…(ホッ)。

 『フローティング・シティー、夢が現実に!』

 「「家をどこに建てたいですか?」ーーおそらく数年以内に不動産会社はこんな言葉を広告に付け加えるだろう。というのも、学者たちが海に浮かぶ、家々の立ち並ぶオルタナティブ生活区域を推進させるため、本格的な取り組みを始めたのだ。“フローティング・シティー・プロジェクト”には「リリーパッド」ーー水に浮かぶ蓮の花という名前がつけられている。 」

 そんな言葉とともに紹介されていたのが右の写真。てっきり「ボスフォラス海峡にこんな街が浮かぶのか?」と思ってしまい、「ダメダメダメ!!! いまの素敵な眺めが台無しじゃん。いくら素晴らしいアイデアでも旧市街のエキゾチックなスカイラインにこれは合わないよー」と早合点。よーく読むとトルコの話ではなく、オランダの話でした。

 このプロジェクトは、オランダのデルフト工科大学ビルテクノロジー学科に所属するインダストリアル・デザイナー兼技術者でもあるTies Rijcken氏によって紹介されたもの。プロジェクトのキャッチコピーはずばり「海面下で暮らしたくないなら、海上で生きろ」。
 地球温暖化の影響による洪水や海面上昇は、低地として知られるオランダにとって死活問題。実際、国土のうちの4分の1は海抜下と言いますから、海面が上昇すると国土も減ってしまうわけです。そこで考案されたのが、海に浮かぶ“フローティング・シティー”なのだとか(だから「海面下で暮らしたくないなら、海上で生きろ」なんですねー)。

 完全自然エネルギー源で、キャパシティーは5万人。住宅はもちろんアミューズメント・パークや病院、スポーツ施設、会社エリア(おそらく学校も)まですべて準備されるそうで、既にパイロット版がオランダの街・レリスタッドでスタートしているのだとか。

 こうした海上都市構想は「リリーパッド」のほかにも「モバイル海上都市ネクサス(ルーカス・フィルムをはじめ、ウォルト・ディズニー、スピルバーグのアンブリン、マイクロソフトといった錚々たる企業がスポンサーで、2020年頃に実現されるそう)」、アメリカのフリーダム・シップ・インターナショナルによるフリーダムシップといったものが計画進行中とか。ふーん、人類も海の上に住む時代になったんですねー。でも、やっぱりボスフォラスにこれが浮かぶのは想像できません。
 ※ちなみに、フリーダムシップの方のデザインはカクカクしていて好きになれません。ネクサスの方はちょっと夢が膨らむけど(さすがに関わっている会社が会社だから・・・)。

2008-06-19

Mehmetcik/メフメッチッキ

2008.06.19

 トルコ通の方はご存知の話なのかもしれませんが、先日トメルのテキストを読んで初めて知ったので、ここにも書いておこうと思います。
 トルコでは兵士たちのことを「Mehmetcik/メフメッチッキ」と呼びます。Mehmetcikとは、Mehmetという男性の名前に“〜くん、〜ちゃん”にあたる“cik”を付けた言い方で、直訳すると「メフメットくん」になります。

 どうしてトルコ兵士が固有名詞の「メフメットくん」なのか? 話は第一次大戦まで遡ります。当時、オスマン帝国の首都イスタンブルの占領を狙って連合軍は海からイスタンブルを目指していました。でも、幅の狭いダーダネルス海峡を通り、マルマラ海へ出ていくにはまず、ガリポリ半島を抑える必要があります。そこで連合軍(イギリス軍+オーストラリア人とニュージーランド人からなるアンザック軍)はまず大規模な上陸作戦を実行。このときの地上戦は相当に熾烈で、両軍のあいだはわずか30mしか離れていなかったと言います。「ほんまかいな?」と思いますが「メフメットくん」誕生のエピソードを聞いて納得しました。

 ダーダネルス海峡の西側にあるガリポリ半島への上陸作戦を開始したイギリス軍+アンザック軍は、海上の艦隊から物資の支給を受けながらトルコ軍を攻撃しました。一方トルコ軍はそれほど豊かではなく、医療物資や食べ物はもちろん、そのうち銃弾もなくなってしまったそうです。銃弾もなく、いったいどうやって戦うのか? 術はないように思いますが、そのときトルコ軍のメフメット軍曹がまわりにある石を集めて敵になるべく近いところまで運び、発砲している場所に向かって投げ始めたのだそうです。最初は軍曹の気が狂った……と思ったまわりの兵士たちも意外と善戦している軍曹を見て真似をし始め、銃と投石による戦いが始まりました。銃に対して“石”、なんてあり得ない……と思いますが、トルコ軍が陣取っているのは丘の上で、相手は丘の下という立地的優位さも味方して予想外の効果を上げたとか。そのうち連合艦隊が岸から離れざるを得なくなり、物資の補給が断たれたイギリス軍+アンザック軍も物資が枯渇。最終的にトルコ軍が勝利を収めたそうです。

 この事件を聞いた新聞記者たちが、銃を持った相手に“石”で立ち向かったメフメット軍曹の勇敢さ、機智、行動力ーーそのすべてを忘れないために、と兵士に「メフメットくん」という名前をつけたのだそうです。そのときから現在に至るまで「メフメッチッキ」と呼ばれて愛されている兵士たち。本当は、彼らが戦場に赴く必要のない平和な日々が来ると良いのですけれど。

 ※興味のある人は、Wikipediaも読んでみてください。

 ところで、Mehmet/メフメットは男の子のなかで比較的よく見られる名前です。彼らが「〜くん、〜ちゃん」と呼ばれることはないのでしょうか? そのへん混乱しないのでしょうか? わたしの素朴な疑問です。ちなみに愛称として「Memos/メモシュ」という言い方はあるそうです。

2008-06-17

Sicak yaz icin yine de bu!!

2008.06.17

 この週末、暑かったですよね? 暑くなってくると食欲も衰えますが、そんなときにピッタリの1品がトルコ料理にもあるのです(ケバブだけじゃないのです)。

 その料理の名はCacik/ジャジュック。去年の夏の日記(トルコ滞在中)にも登場した料理ですが、土曜日の晩に作ってみました。あまりに暑く、「あー、ジャジュックが食べたい」と思って。 作り方はチョー簡単です。

【材料】
 ヨーグルト 1パック(500gぐらい)
 水 適当(わたしは1カップ+アルファで調整しています)
 すりおろしニンニク 1片
 塩 適宜
 キュウリ 1本〜2本
 乾燥パセリ、ミントなどお好みで ※フレッシュも可

【作り方】
 キュウリを縦4等分くらいにしてから小口切りにして、ボールへ。

 そこにヨーグルトと水、すりおろしニンニク、塩を加えて
 スプーンなどでよくかき混ぜる。

 冷蔵庫で冷やして、食べる直前に乾燥ミントをトッピンク。

以上! 超カンタンで、しかも結構イケるのです。トルコの代表的な飲み物、アイランが好きな人ならゼッタイ好きになるはず。そうでなくても、キュウリとヨーグルトのさっぱり感+ニンニクとミントの香りが食欲をそそります。上記材料で3〜4人分ですが、わたしは半量を1人で食べられます。暑くて食欲のない夜など、パンといっしょに召し上がれ〜♪

 ※なお、上記作り方はわたし流です。水を加えない方法もあるし、キュウリをすごく細かく切る人、ゴロゴロとしたダイス状にする人など、さまざまです。きっと、その家流の作り方があるのだと思いますが。写真は週末に作ったジャジュック。既に乾燥ミントを混ぜた後の図ですが、ミントを可愛くトッピングすると見た目にもグーです。

2008-06-16

Futbolun gercegi iste bu!!!

2008.06.16

 フットボールとは、まさしくコレなのだっ!!!!!

 昨夜のゲームをご覧いただいたでしょうか? いや、すみません、ここんとこサッカーネタばかりで。
 でも、これが興奮せずにいられますかっ! きっと、ほとんどのサッカーファンはチェコが勝利すると思っていたでしょう。でも、必ずしも強豪と思われるチームが勝つわけではないのですっ。スポナビの戦力分析でも一番低評価だったトルコ。しかーし、サッカーの神様はきのう、トルコに微笑みかけたのですっ!!!!!

 前半34分にチェコの長身FWコラーのヘッドで先制点を奪われたトルコ。さらに、後半17分にはプラシルに決められ(右サイドからのワンバウンド・クロスに左足裏で合わせた見事なゴールでした)、もはやこれまでか……と思いきや、トルコはまだ死んでいませんでした。その13分後にスイス戦でもゴールを決めたアルダ・トゥランがゴール右サイドからのバックパスに反応して1点。さらに後半43分にはニハト・カフベジがチェコのGK・チェクの痛恨のミスをうまーく付いてゴォォォォォォォォォォォォォォルッ!(写真) そして、そして、とどめは後半44分。ニハト・カフベジが(オフサイドでは?という人もいるでしょうが、審判は笛を吹かなかったのです)PAギリギリ外あたりからゴール右上へシュート。ボールはバーに当たりながらもゴールへと吸い込まれたのでした。

 前半と、後半早々に、チェコに2点先取されてしまったトルコ。いつもならここで完全にノックアウトですが、昨夜のトルコは蘇りました。しかも見事に。まさしく不死鳥のごとく。おまけに、わずか15分のあいだに3得点。わたしは2年前のCLのリバプールを見たような気分でした(あるいは、ドイツW杯の対日本戦のオーストラリアとも言える・・・ちぇっ、思い出したくないものまで思い出してしまった・・・)。そう、だからこそサッカーは面白いのです。最後の最後、ロスタイム終了の笛が吹かれるまで何が起こるか分からないから。Uefa.comの記事を読んでいたら、こんなことが書いてありました。「これこそ、フットボールだ。片方のチームは天国から地獄へ、もう片方は地獄から天国へ。これこそが、このゲームの美しさだ。いまチェコは泣いている。しかし75分まではトルコが泣いていたんだ。このスタジアムにいた誰もが、起こったことを信じられなかった。そして、この男、ニハト(写真)がゲームを完全に変えてしまった」。

 さぁ、これでベスト8に進出したトルコ。これに満足せず、次なる勝利を期待します。

 ただ……心配なのはニハトが肋骨とかを折ってないだろうか?ということ。3ゴール目をあげて喜ぶ気持ちは分かるんですが、ニハトが下敷きになっているときにトゥンジャイが思いっきりダイブしたんですよねー。その上に。まぁ、サッカー選手はそんなに柔じゃないとは思いますが、トゥンジャイにイエローカードです、個人的に。それと、後半45分にレッドカードを食らってしまったGKヴォルカン・・・。勝利に水を差したなー。まぁ、トルコには経験豊富なルゥストゥもいるので大丈夫かとは思うのですが。

 とにかく、いまは波に乗っているトルコ。このまま調子良く波に乗って行けるとこまで行ってくれーーーーーーーーーっ!!!!!

2008-06-12

Yasa Turkiye!!

2008.06.12

 きょうのトルコの新聞は見なくても分かります。各紙ともEURO2008でのトルコの勝利を称えていることでしょう。

 やったーっ! やったーっ! やったーーーーーっ!!!
 トルコ、やりました。開催国(オーストリアとの共催)スイスを相手にロスタイムで勝利の一撃! えらいっ。すごいっ。マッシャッラー!

 いや、その……、まだ首がつながったってだけで、次の試合に勝たなければ決勝リーグには進めないのだけど、それでも望みはつないでくれました。第1戦ポルトガルに負けて「ユーロへの道は断たれた」とまで書かれ、実際わたし自身「やばいかも……」と思っていましたが、降りしきる豪雨のなか、トルコイレブンは勝利をその手につかんでくれました。 Herkese opuyoruuuuuuuuuuuuuuuum!!!

 スイスに先制されながらも後半開始まもなくに同点弾を決めたセミヒ・シェントゥルク、そしてロスタイムに逆転弾を放ったアルダ・トゥランにはもちろん惜しみない拍手を送りますが、個人的にはGKのヴォルカン・デミレルにMVPを贈りたいです。雨という、GKにとっては非常に守りにくいコンディションのなかでゴールを死守したヴォルカン。実際に見たわけではないけれど、相当数のシュートをはじき返しているようです。ヴォルカンなくしてトルコの勝利なし。いつもは凡ミスを繰り出してしまうヴォルカンだけど、昨夜は魅せてくれたのではないでしょうか。

 さぁ、次はもう勝つしかない対チェコ戦。ポルトガルに負けたチェコとは勝ち点で並んでいますから、あとは勝つしかグループ突破の方法はありません。ここは死力を尽くして強豪チェコに立ち向かって欲しい。グループ突破を果たしても、おそらく決勝リーグで当たる最初の相手はドイツでしょう。EUROの道は狭く厳しく、また遠いのです。でも、だからこそ勝つことに意味がある。
 まずはグループ突破。そして決勝リーグ初戦突破。その次にポルトガルにお返しして……と、1勝しただけなのに夢は膨らんでしまいます。いやいや、浮き足立ってはいけない。まずは次戦に集中して。

 わたし、日曜日の晩はわがトルコのために祈ります。 勝利を信じます。

 ……ところで、1戦目、2戦目ともトルコはトゥルクアズ(ターコイズ色)のユニしか着ていません。赤のイメージが強いから、なーんか調子狂います。きっと次は赤ユニでチェコ戦でしょう。がんばれーっ!!!


 追記:さきほどネットで確認しました。スイス vs トルコのハイライト。1失点目は……何というかヴォルカン飛び出しすぎた、という感じもします。しかも豪雨でグラウンドが水浸し。スイスのボールがうまくゴール前で止まってのごっつぁんゴールでした。
 でも、トルコのゴールはどちらも素晴らしい。同点弾のセミヒのゴール。見事に落ちてます。ペナルティーエリアの外から打ってますが、キレイに落ちてゴールに吸い込まれています。勝ち越し弾のアルダのゴールはアルダも良いけど、その前に左からピンポイントでクロスを入れているニハトが素晴らしい。あの位置から、しかもロスタイムという時間帯に、あのピンポイントクロス。職人技です。GKも手には当てていますが、それでもネットに突き刺さる勢い。
 どんなゴールであれ、ゴールはゴール。すべてが素晴らしい、と言ったのはリバウドだったでしょうか。その通りです。ボテボテで入ろうが、オウンゴールだろうが、ゴールはゴール。勝ちにつながる1点なのですから、すべて素晴らしいのです。それでもスイス戦のトルコのゴールは“美しい”と言いたい。

2008-06-11

ジーコとフェネル、そしてエムレ

2008.06.11

 ただいまヨーロッパの話題はEURO2008の話題で持ち切りでしょう。先日の開幕戦、トルコは対ポルトガル戦で負けてしまい「もはや、これまでか……」といった雰囲気も漂いましたが、おそらく今夜のスイス戦に勝って望みをつなぐのだ!! ……と意気をあげているトルコ男性陣も多いのではないでしょうか。もちろん、わたしもそのうちの1人ですが(別にトルコ人でもないし、男でもないのだけど・汗)。

 そんななかトルコから届いたのは『ジーコ、フェネルを去る/Yeni Safak紙』『フェネルバフチェでジーコの時代は終わった/Radikal紙』のニュース。加えてGazete Vatan/ヴァタン紙には『ジーコは、チェルシーのレーダーのなかに(チェルシーの監督選考構想のなかに、という意味)』という記事もありました。

 来季はどうするのだ? ジーコは残るのか? ……という決定が伸び伸びになったあたりから、もう解任かな? と予測はできました。金銭的な面での折り合いがつかなかった、という事情もあるのでしょう。ジーコにすれば今季はリーグ優勝こそできなかったけど(というか、国内タイトルはゼロ)、何と言ってもチャンピオンズリーグでベスト8という快挙を成し遂げたわけですから要求もあったでしょう。
 一方、クラブ側としては(というかAziz Yildirim/アズィズ・ユルドゥルムからすれば)チャンピオンズリーグの評価はするけど、国内リーグでの結果を見ても年俸アップはできないよ、とか……。もともと、このAzizさんというのは子どもっぽいところもあるし、〈金は出すが、口も出す〉の典型。お互い、歩み寄れなかったんでしょう。

 ちなみに、フェネルの時期監督などに関しては来週にも明らかにされる……とのことですが、どうなることやら??? 一方、ジーコの方はイギリスのSkySportsというスポーツポータルからの情報として、スコラーリやヒディング、スパレッティとともにアブラモビッチの構想のなからしいです。夏はサッカー市場における大移動が注目のとき。ジーコの去就も見守りたいと思います。

 さらに、先日イングランドのプレミア・リーグ/ニューカッスルからトルコリーグに復帰して話題を呼んだEmre Belozoglu/エムレ・ベロズオールのニュースも入ってきました。ガラタサライがUEFAチャンピオンになった当時ガラタ所属で、その後インテル、ニューカッスルと移籍していたエムレ。そのエムレがよりによってフェネルバフチェ(ガラタサライ最大のライバル)に復帰する……ということで話題をさらっていたのですが、その彼はアスケル(兵役)に行くらしく、7月の最初からチームには参加しないとのこと。ただし、兵役は21日間の最短コース……だから、別に問題ないはず。新聞では『フェネルにエムレ・ショック!』なんて見出しを付けてたけど。

2008-06-10

トルコ、夏景色

2008.06.10

 先日から気になっていたんです。Radikal/ラディカル紙のこの見出し『Kare kare Turkiye/シャッフルしながらトルコ』。
 2008年6月8日付けの記事は、トルコの夏景色を紹介するものでした。題して「Memleketten yaz manzaralari/故郷からの夏景色」。

 「カラデニズ(黒海地方)の高原が紫に染まる山腹で、カモミールが雲とダンスするとき、地中海の涼やかなビーチでは夕陽が新しい夫婦の目撃者となっている……」と、ちょっぴり詩的に紹介されていたのは以下の写真たち。









 イズミルにある鳥の楽園では7月まで飛来するフラミンゴたちが、つがいとなる者を選び、求愛のダンスを続けている。
 トルコ人が“赤い鶴”として知っている、そしてスペイン人の踊り・フラメンコのインスピレーションの源ともなったフラミンゴたちは、イズミルで求愛のダンスを踊っている・・・。
 (談)トルコでは、フラミンゴのことを“alli turna/赤い鶴”って言うんですね。フラミンゴの集団を実際に近くで見ると怖いっ……と思ってしまいそうですが、こうして見ると可愛いです。











 東カラデニズの高原は国内はもとより海外の旅行者たちからも日々高い関心を呼んでいる。豊かで多様な(高山)植物(が生息する地域)という意味で、世界でも稀な地域のひとつであるカラデニズの高原は、ふたたび息を飲む景色に覆われた。
 (談)きれーい。きれーい。行ってみたーい。以前トルコに行ったとき、カラデニズ地方は6月くらいに行くとすごく緑がキレイなのよと聞いたことがあって初夏〜秋にかけて行ってみたい場所のひとつです。このへんの標高は何メートルくらいなんだろう? この花……写真で見ると紫のシャクナゲって感じもするけど、何なんだろう? (一般的に、トルコ人は「花」を「花」としか言いません。もちろん「バラ/ギュル」とか「チューリップ/ラーレ」とか「カランフィル/カーネーション」とか、お店で買うような花は別ですが、いわゆる野花というか、草花は「花」としか言いません(海のない地方では「魚」も「魚」という人が多いですね。最近は少し変わってきたかもしれないけど)。


 アンタルヤのアクセキ郡にあるヤイラジュックの頂上から沈む夕日、それはこんなふうにレンズに映る。
 (談)アンタルヤというと海のイメージしかありませんが……山の日の入りってなぜか神々しく見えます。きっと実際に見たらこの写真の数1000倍きれいなんだろうなー(ため息)。







 東カラデニズで、カモミールと霧が織りなすとびきりの眺めに、旅行者たちは息を飲む。
 (談)かわいー。すごーくかわいー。カモミール(……というか、マーガレット?)って本当に愛らしいですねー。特に、もやの上に浮かび上がる高原とのコントラストが絶妙。こういう高原でひと夏過ごしてみたいなー(でも、きっとトイレなんてなかったりするんだろうけど・・・汗)。




 トルコ人と結婚する外国人は、死海でサンセットの写真を撮るために準備している。死海で、結婚のセレモニーの前に夕陽の写真を撮る夫婦ーー彼らはロマンチックなひとときを過ごしている。
 (談)トルコでは、結婚するカップルがまるで映画のワンシーンのような写真を撮るのがフツーです。このカップルは夕陽をバックに……と自然ですが、バックを合成したりして超ドラマチックなアルバムを作ります。わたしの友達のも見せてもらいましたが、お姫様だっこのとかもありました(見ている方が恥ずかしかった……///;


 カイセリにある休耕田に咲いた花たちは、自然を色で染め上げた。
 (談)日本で言うとレンゲとか、秋のコスモス〜♪という感じでしょうか。田舎は何もなくてつまらないと言われますが、こーいうのが日常にあるのが田舎の魅力なんですよねー、と田舎出身のわたしは思います。


 アンタルヤのアクセキ郡で電柱によじ登ったネコは、犬が行ってしまうまで下りて来なかった。







 エルズルムにあるトルトゥム滝は世界で3番目に大きい滝である。




 以上、Radikal/ラディカル紙からでした。

2008-06-09

ダンスとサッカーの夜

2008.06.09

 6日の日記にも書いたとおり、7日の夜はグランキューブ大阪で行われたShaman Dans Tiyatorosu/シャマン・ダンス・ティヤトロスのショーを見に行ってきました。ちょっと遅れてしまって最初の10分ほどを見逃したのですが(Sufi/スーフィーのSema/セマー〈宗教的回旋舞踊〉がオープニングだった模様)、無料!だったにも関わらず、とても素晴らしいダンス・ショーで、ギュル大統領は日本に素晴らしいプレゼントを持ってきてくれたなーと感謝♪

 遅れて入ったためプログラムを貰わず詳細が分からないのですが、ストーリー性にあふれる構成で、しかもダンスのクオリティーが高いっ! 見る者を驚嘆させ、その美しさにため息をつかせる、踊り手のエネルギーがビンビンと伝わってきて、こちらまで体を動かしたくなる、そんなダンスでした。わたしが気に入ったのは「愛する人を戦場に送り出す女性たち、戦場で戦う男性たち、うち一人が命を落とす、それを知った女性が嘆き悲しむ、そこへ男性の亡霊が現れる、あぁ帰ってきてくれたのだとひととき愛の時間を過ごす、けれど女性が男性にベストを着せようとすると男性は消えベストが地に落ちる」というストーリーのダンス(左の写真はそのシーン)。男性の亡霊はシルエットで表現されていて、ダンスなのに見ている方まで切なくなるような、情感たっぷりのショー。本当に素敵なトルコからのプレゼントを貰うことができて大満足でした。もしまたチャンスがあったらお金を払ってでもゼッタイ見るぞ、と思っています。

 その後、ホテルに帰ってひと休み……と思い、テレビをつけたらサッカーの日本 vs オマーン戦が放送中。土曜日は深夜3時45分からEURO2008の開幕戦(トルコ vs ポルトガル戦)が控えていたため少し眠っておくつもりでしたが、W杯アジア3次予選を見逃すわけにもいかず……(結果は1-1のドロー。写真はPKを止めたGK楢崎/スポナビより拝借)。その後、仮眠をとってEURO2008を観戦するため四ツ橋にあるトルコレストランへ向かいました。試合開始の15分くらい前になると、ギュル大統領とともに来日していた企業家のおじさんたちがドドドーッと押し寄せ、レストランは満員状態。さらに直前にDevlet Bakani/国務大臣のKursad Tuzmen/キューシャッド・トゥズメン氏が姿を現すと皆からオーッという喜びの声とともに拍手が! 画面でトルコ代表を見ながらいっしょにイスティクラル・マルシュ(トルコ国家)を歌い、楽しく観戦することができました(残念ながら、2-0で敗れてしまいましたが)。

 ……にしても、トルコのおじさんたちは元気です。7日の昼過ぎに新幹線で大阪に到着。その後、バスに乗って車窓観光ツアーをし、夜は夜で会食があったはず。にもかかわらず夜中の3時半〜朝6時頃までパワフルにサッカー観戦しているわけです。そのあとホテルにとって返して朝は7時30分に集合しバスで空港に向かわれました。なかには若い人もいたけれど、おそらくおじさんたちの年齢は50歳前後。連日の過密スケジュールで疲れているはずなのに、それでもEUROは見逃せないと夜中のサッカー観戦に出かけてくるわけで、このパワーには恐れ入ります。

 あと、国務大臣のキューシャッド氏もすごい。もともとサッカーが好きなのかもしれませんが、それにしても夜中の3時半にわざわざ足を運び、皆といっしょにサッカーを見るなんて!!  政治的にどうのこうのという前に、キューシャッド氏本人に好感を持たなかった人はいないでしょう(タスビーフを手に寡黙に観戦されている姿は渋かった)。写真を撮っている人もたくさんいたし、きっとトルコに帰ったら「日本ではKursad Tuzmen/キューシャッド・トゥズメンといっしょにEUROを見たんだぜっ」と語るのでしょう。大臣なんて言うと、それだけで自分とは違う人と思ってしまいがちですが、こうして皆とともに同じ時間を過ごすことで、彼はずいぶん株を上げたのではないでしょうか。それも演出のひとつだ、ということもできますが、夜中にやってきて2時間きちんと観戦するってなかなかできないことだと思います(もちろん、外に出たらお付きの方と、黒塗りの車がスタンバイしていましたが)。

 そんなこんなで更けていった土曜日の夜。日曜は朝10時からトルコ語の講座があったので、そのまま講座へ突入。昨夜は10時過ぎに寝て、朝6時半まで一度も目を覚ますことなく爆睡してしまいました。

2008-06-06

ギュル大統領、来日!

2008.06.06


 日本のニュースでも取り上げられているのでご存知の方も多いかと思いますが、いまトルコのアブドゥッラー・ギュル大統領が訪日中です。先日、6月4日に日本到着。きのうは天皇皇后両陛下との昼食会もあったそうで。

 ギュル大統領の訪日がトルコでどう報じられているか、とても気になっていたのですが今週はなかなか時間がなくてトルコの新聞がチェックできませんでした。今朝、新聞各紙を見てみるとHurriyet/ヒューリエット紙とMilliyet/ミリイェット紙ではそれらしき記事が見つかりません(きのうはあったのかもしれないけれど、トップページのトピックには出ていませんでした)。大統領(&ハイリュンニサ夫人)の訪日記事を取り上げていたのは……

◎Radikal/ラディカル紙『ギュル夫妻、天皇と食事』
 「日本の天皇と皇后が示された礼儀正しさ、静粛さ、誠実さは最もギュル大統領の関心を惹いた。会見では文化や歴史をはじめ経済問題についても触れられた。またギュル大統領はトルコにおいて2010年が〈日本年〉であることをアピールし、天皇を招待。天皇もこの招待を日本政府に伝えると言った」
 「ギュル大統領は天皇にエルトゥールル号の模型を、皇后には桜の花がモチーフのブローチを、三笠宮様にはカフスボタンをプレゼントした」
 「また、ギュル大統領が(別の)会見をしているあいだ、ハイリュンニサ夫人は別行動で日本の寺を訪問。何人かの日本人はファースト・レディーの写真を撮り、夫人も手を振って応えた」

 ↑両陛下と会われたときの映像をテレビで見ましたが、なんだか可愛らしかったです。さすがに緊張されているのでしょうか。写真撮影のための立ち位置とかが分からなくてアタフタしている初々しさが(特にハイリュンニサ夫人)微笑ましい感じでした。

◎Sabah/サバフ紙『トルコの開拓を!その中心はイスタンブルに!』
 「日本訪問の2日目を企業家たちとともにスタートしたギュル大統領は、三菱、冨士、トヨタ、双日、伊藤忠、三井の社長たちと朝食で会見。『短期ではなく長𨛺投資を考えてください。トルコは中東、欧州、アジアをつなぐ架け橋です。あなたがたの会社の地域的ハブをトルコにシフトしてください。イスタンブルに来てください』と呼びかけた。企業家たちは『イスタンブルをハブとする場合の一番大きな問題は飛行機と輸送だ』と語った。ギュルは、何人かのゼネラル・マネージャーと夕方に対面会合を行い、再びトルコへの投資を呼びかけた」

◎Vatan/ヴァタン紙『信心深いムスリムの方々』
 「ギュル大統領とハイリュンニサ夫人は日本のメディアに〈信心深いムスリム〉として紹介された。ハイリュンニサ夫人はまた〈トルコで初めてのスカーフをしたファースト・レディー〉であると言われた」
 「ギュル大統領は国際報道クラブが開催したカンファレンスで、AKPの閉鎖訴訟、PKK問題、イランの核開発といった話題についても触れた」
 「トルコ日本企業フォーラムでもスピーチしたギュルは、トルコが投資対象として魅力的であると語った」
 「ハイリュンニサ・ギュル(夫人)は、日本の有名な桜寺を訪れた際、期待に反して着物を着なかった」

 ↑同記事の読者投稿では“inancli muslumanlar/信心深いムスリム”という言葉に意見が集中してました。どうやらトルコ人の感情を害したみたい。曰く「信心深いムスリム、信心深くないムスリムなんてものはない。シャーリア=イスラム法を支持するムスリム、世俗のムスリムならあるけど」「ってことは信心深くないムスリムもいたってこと? いやー知らなかった(←皮肉)」

◎Zaman/ザマン紙『日本の天皇からギュルへ トルコもわたしたちと同じく伝統を大切にしながら近代化しています』

 数日ぶりにトルコの新聞をざっと見ると憲法裁判所でトゥルバンのこととか、AKPの存在そのものが違憲であるといった議論が行われているようで、そっちの方が大ニュース。ギュル大統領も日本にいながらトルコのことが気になって仕方がないのではないでしょうか(報道クラブでの会見でも語ってますし)。












 そんななかギュル大統領は明日来阪。まず和歌山の串本町を訪れエルトゥールル号遭難の追悼式典などに参加予定です。串本町での滞在は4時間。夜には大阪国際会議場内でシャマン・グルプというトルコのダンスグループが公演を行うのですが、これにギュル大統領が現れるのか、現れないのか? 翌8日の午前中には関空から離日されるとのことなので本当に過密スケジュールです(わざわざ13時間もかけてやってきて、京都観光もなしなのね〜。ちょっと可哀想)。

 なお、前述のダンス公演は定員1200名なのでまだ間に合うかも! 興味がある人は行ってみてください。
 ● シャマン・グルプ トルコ舞踊団公演
  オフィシャルウェブサイト
  6月7日(土)19:00〜
  グランキューブ大阪(大阪国際会議場)
  リーがロイヤルホテル隣り
  ※JR大阪駅からはホテルへのシャトルバスが出ているので利用できます。
  問い合わせは、在日トルコ共和国大使館 03-3470-5131

2008-06-02

トルコでねるとん

2008.06.02

 昔懐かしき『ねるとん』を思い出す記事を、トルコのRadikal/ラディカル紙で見つけました。タイトルは〈恋人はアンタルヤで見つける〉。

 「アンタルヤで、ある愛の物語」と銘打った観光企画が、ただいまアンタルヤで進行中。この企画に参加したのは、シングルの女性25人、男性25人、合計50人のドイツ人グループ。手にバラと名前を書いたカードを持った男女はまず、「おめーらの気持ちはよーく分かったぁ〜」「おめーらが見る前に、恒例の、タカさ〜〜〜んチェックッ!」という口上があったかどうかは知らないけれど(あるわけないかっ)アンタルヤ空港で対面し、その後シデという場所にあるマジェスティークラブ・椰子の庭というホテルへ。その際、彼らを乗せたのは、ハートのデコレーションが施されたバス。座席にもハート型の台紙にそれぞれ参加者の名前が……。たどり着いたホテルでもハートの風船や紙吹雪、キャンドルのお出迎えがあり、これでもかー!っというハートづくしだったよう。

 自分にぴったりの相手を見つけるために「アンタルヤで、ある愛の物語」企画に参加した50人は、最初のお近づきチャンスとして朝食ターイムッ(ここもタカさん的に叫びたい)。その後は2列ずつにデッキチェアーが並べられたビーチで参加者全員の紹介ターイムッ。まず1列に女性陣が座り、もう一方のデッキチェアーには男性陣が。ただし男性陣は2分毎に席替えし、すべての女性とお話しする(……というか、自分をアピールする?)。このほかにもプールやビーチでバスケットや風船ふくらましゲーム、OKというゲーム、拡大鏡を使って紙を焼きながらハートを描く……といったゲームをしながらお互い親交を深めたのだとか。

 アンタルヤのシデで4日間を過ごすという25組の男女。果たして何組のカップルが生まれるのでしょうか?