2008-11-04

トルコの映画「私のマーロンとブランド」

2008.11.04

 前に日記を書いたのは、9月26日だから、1ヶ月以上のご無沙汰になりました。

 きょうは昼にトルコの新聞をサササッと流し読みする時間があったので、目に留まったものを後で読もうとプリントアウトしていました。

 夕方、また時間が空いたので毎日新聞の夕刊に目を通していたら、10月16日〜26日の期間で開催されていた〈東京国際映画祭を振り返る〉という記事を発見。同映画祭の「アジアの風」部門でトルコのフセイン・カラベイ監督作『私のマーロンとブランド』が最優秀賞を受賞していたことを知りました。

 そのとき「ン? フセイン・カラベイ? なんか、どっかで目にした名前だな……」と思い返し、きょうの昼にプリントアウトしておいた記事を見直すと、東京国際映画祭で「アジアの風」最優秀賞を受賞した作品が、スイスの映画祭でプログラムから外された……という記事が(Radikal紙11月2日付け)。

 正確には、同監督の『私のマーロンとブランド(英題は、そのまま〈My Marlon and Brando〉、トルコ語のオリジナルタイトルは〈Gitmek/行くこと〉』が、スイスで始まった映画祭でも上映される予定なのですが、映画祭のディレクターがトルコ文化省のお役人から「この映画をプログラム(上映スケジュール表)から外せ、さもないと資金協力しないぞ」と脅されたとか・・・。ディレクターによると、同映画祭にはトルコから400000ユーロ(日本円で5000万以上)の資金提供を受けているらしく、そのお金がなければ映画祭は実現し得ない。だからトルコ文化省のお偉いさん(名前はIbrahim Yazar/イブラヒム・ヤザルというらしい)から言われたらプログラムから外さざるを得なかったと。

 とはいえ、このスキャンダルを知ったスイスの映画館関係者たちは、これに抵抗して当初プログラムに掲載される予定だった日程で上映を決めたらしく、バーゼルでは11月19日〜26日に、チューリッヒでは20日と21日に、またベルンでは22日と23日に上映されるらしいです。

 ことの発端となったイブラヒム・ヤザル氏(文化省のお役人)は「制限のあるプログラムもあった。だからそう(プログラムから外せと)提案しなければならなかった。トルコは多様で豊かな国だ。この豊かさを例を挙げることでお見せしたいとがんばってきた。こうしたことを取り除くことや、含まないなんてことはない。フセイン・カラベイの映画に関して別の心配があったから、あの新聞で記事を書いてもらった。メディア・ミーティングを行いながら、映画祭の内容を説明するために努力する」と、なんだか分かるような分からないようなコメントをしています。

 ちなみに、Radikal紙のトップページ、この記事の導入部分では「『トルコ女性は北イラクのクルド人に恋できない』という理由で脅迫された『Gitmek』という映画の……」という書き方をしています。
 東京国際映画祭のHPにある紹介によると「イスタンブルに住む少女が、北イラクに住む恋人に会うため国境を越える。トルコ、イラク、イラン、クルディスタンをめぐる道程は困難を極めていく……。ユーモアと緊迫が交差する実話ストーリー。」となっています。現時点でクルディスタンは存在しないから、こうまで言い切るのはどうかな?とも思いますが、とにかく恋する女性が、恋する相手の男性に会いに北イラクを目指す……というロードムービーのようです。

 東京国際映画祭だけでなく、イスタンブルやトライベッカ、エルサレム、イェレヴァン、サラエボの国際映画祭などでも最優秀女優賞、最優秀監督賞などを受賞しているこの作品。あー見たくなってきた。でも、ネットで『私のマーロンとブランド』で検索しても上映情報は出てこない。日本で上映される日は来るのでしょーかねー???  せめてDVD発売でも(けど、高いだろうなーっ・・・汗)。

 Radikal紙の記事はこちら

 東京国際映画祭のページはこちら

 ※写真はすべて「Insomnia World Sales」というサイトから

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