2週間以上のご無沙汰でした。
この本を読んでいるあいだ、ずっとパソコンから離れていたのと、8月から再び〈書く〉仕事を始めてしまって、ちょっと書くことから遠ざかってしまいました。 相変わらず暑いですが、みなさんお元気でお過ごしでしょうか?

この本、副題が「オスマン帝国の崩壊とアタチュルクの戦争」となっているのですが、時期的にはイギリスのサポートを得てギリシャがアナトリアに攻め入り、後退したトルコが最後の戦いを仕掛ける、サカリヤ会戦前〜サカリヤ会戦〜イズミル奪還までを描いています。
が、純粋な歴史書ではなく、“小説”です。司馬遼太郎的な手法で書かれた本と言うと分かりやすいでしょうか。実際、読んでいる途中で何度も『坂の上の雲』を読んでいたときに似た感じを覚えました。

わたし自身、これまでトルコ建国についての(主にアタチュルクの)本を何冊か読んできましたが、いままでで一番「アタチュルクのトルコ」ではなく、「フツーのトルコ人のトルコ」が見えた本だったように思います。『トルコ狂乱』を読んで感じたのは、「現在のトルコを作ったのはアタチュルク個人ではなく、アナトリアに住んでいたフツーのトルコ人が、初めて“トルコ人”としての自覚を持って独立解放戦線に臨み、共和国建国の礎になったのだ」ということでした。アタチュルクは建国の父と言われますが、その母となったのは、間違いなくこの国民だったのだ、と思わされました。

訳者あとがきによると、本著書はトルコで正規版が60万部、そして海賊版が300万部売れたという驚異の大ベストセラーだったそう(海賊版が正規版の5倍売れているあたり、トルコだなぁと、ちょっと可笑しかった。でも合計で360万部です)。3990円と高いのがちょっと痛かったけど、改めてトルコ共和国を生い立ちを学び直せた気がしています。 ※写真は大阪・堂島アバンザにあるジュンク堂書店に並んでいるところ。本屋によって〈小説〉コーナーに置いてあるところもあれば、〈人文科学〉系コーナー(専門書)に置いてあるところもあったりして、ややこしい。
本当は前回の「チーズ天国」のつづきを書く予定にしていたのですが……(またいつか機会があれば書きます)。
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