2008-05-22

Demir Ipek Yolu / 鉄のシルクロード

2008.05.22

 シルクロードと言えば、アジアとヨーロッパを結んだ交易の道。読んで字のごとく“絹の道”という名前の語感も耳に心地よく、シルクロードと聞いただけで夢やロマンがかきたてられます。

 きょうは『アジアとヨーロッパを結ぶ、“鉄”のシルクロード』という記事を、トルコのZaman/ザマン紙で見つけました。“絹”の道なのに“鉄”とは、これ如何に??? 記事では「アジアとヨーロッパをつなぐ鉄道幹線が、トルコを通るという案において重要な一歩が踏み出された」と書かれていました。

 現在、世界鉄道連合評議会というところでシルクロードならぬアイアンロード(鉄道)の建設が話し合われているのだとか。中国(おそらく上海)からスタートし、バングラディシュ、インド、パキスタン、イランへ。そこからは3つのルートが検討中らしく、(1)イラン内陸から直接トルコへ抜け、トルコを横断するようなカタチでイスタンブルへ (2)イラク、シリアを通ってトルコ中央部をななめ西へ縦断するような経路でイスタンブルへ (3)イラン内陸からアゼルバイジャンを抜け、ロシアへ という3案があるようです。
 ※赤の点線で書かれている(1)(2)案はトルコのオファー、緑の点線で書かれている(3)案はロシアとイランのオファー経路

 鉄道と言えば、オリエンタル急行、シベリア特急、このあいだ映画で見たダージリン急行、新しいところではドーバー海峡を横断するユーロスターとか、中国の西寧からチベット自治区ラサを結ぶ青蔵鉄道(青海チベット鉄道)とか……これまた旅心をそそります。上空をビュンと飛んじゃう飛行機は便利だし早いし、遠くに行くには一番快適な乗り物なのかもしれないけど、多少時間はかかろうが鉄道の旅って何故かしらロマンチック。長い列車の旅のなかでは出会いもいろいろあるだろうし(そう言えば映画『恋人たちのディスタンス』の出会いも電車でした)。

 いまのところトルコとロシア、イランのあいだに論争があるようです。そりゃあそうでしょう。アジアで生産されたものを運ぶ輸送手段としての鉄道。そこにはビジネスが絡んできますから、各国とも「わが国を通って欲しい」という思惑があるわけです(けどなー、ロシアとイランが手を組んでるあたり、なんか別の思惑もありそうな……)。そんななか、トルコではボアジチ海峡トンネルが建設中(左写真)であり、ちょっとしたアドバンテージになっている模様。

 この鉄道は貨物列車利用がメインなのかもしれないけど、いざ通ってしまえば交通手段としても利用できるでしょう。そうなったらぜひ乗ってみたい。上海からインドを通ってトルコまで。ずいぶんと長い旅になりそうですが、その旅の道中にはいろんなことが待ち受けてそうで、想像するだけでも楽しいです。

 ※写真は、ともにZaman/ザマン紙に掲載されていたものを使用

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