先日、カンヌ映画祭で『Uc Maymun/Three Monkeys』をコンペティション部門に出品していたNuri Bilge Ceylan/ヌリ・ビルゲ・ジェイランが見事監督賞を受賞した、と書きましたが、昨日のZaman/ザマン紙でもう一人受賞したトルコ人がいたことを知りました。しかも最高賞のパルムドールを。
今年、第61回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したのは、ローラン・カンテ監督作『Entre les Murs/英題The Class』。フランソワ・ベガドーの自叙伝が原作の同映画は、フランスのある中学校を舞台に家庭事情や言葉の壁、素行の悪さなど、さまざまな問題を抱える生徒たちを相手に教師が奮闘するというストーリー。で、受賞したトルコ人とは?


トルコの黒海地方・サムソン出身で、パリへ出稼ぎ労働者としてやってきた両親のもとで育っているブラクくんですが、なんでも毎年夏にはトルコに里帰りしているそう。まだ15歳だし、おそらくパリで生まれてパリで育っているのではないかな……?と思うのですが、おうちではトルコ語を話しているのかもしれません。
ブラクくんのお父さんSezer Ozyilmaz/セゼル・オズユルマズさんは、メディアからの質問に「家族としてとても嬉しいです。彼のこれからのために、まずは教育を与えたいと思っています。そのあとは、まぁどうなるか見守りましょう」と答えたよう。もともと役者志望というわけではなく、あくまで生徒役として素人から選ばれたわけですから父親としては当然のコメントかな。でも、ブラクくんはこれをきっかけに役者に目覚めちゃうかもしれませんが。
ネットでニュースを読んでいると、最近はカンヌでの大きな取り引きは縮小傾向にあるとか。買い付け額が高いというのはもちろんだけど、日本国内での洋画市場の低迷も大きな原因になっている模様です。たとえ取り引きがあったとしても劇場用ではなく、ビデオ用として。つまりロードショーとして映画館では見られず、レンタル&販売DVD用としてのみ購入されているようなのです。比較的日本に入ってきている米国映画でさえ縮小傾向だと言いますから、果たしてこの作品が見られるのかどうか現時点では不明。いろんな国で作られた、いろんな映画が見たい人にとっては哀しい現実が立ちはだかります。。。
No comments:
Post a Comment