2008-05-21

Zidane izdihami / ジダン・パニック

2008.05.21


 きょうはRadikal/ラディカル紙で見つけた記事(5月20日付け)から。

 同紙によると昨日、元サッカーフランス代表キャプテン、ジネディーヌ・ジダンがトルコのBabaeski/ババエスキ郡にあるYenikoy/イェニキョイという街に現れたそう。イスタンブル県の西隣、黒海に面する/Kirklareli/クルクラーレリ県の内陸にあるババエスキ郡、そこにある人口737人の小さな村がイェニキョイです。 ※左の写真はWikipediaから拝借


 なぜ、そんな小さな村にジダンが? ……というのも当然の疑問。

 記事によると、イェニキョイに新しくKoy Saglikli Sut Uretim Tesisi/村の健康生乳製造工場ができたのですが、そのオープニング・セレモニーを主催したのはフランスに本社のあるダノン社。おそらくフランスつながりで、ダノン社がジダンをセレモニーに招待したのでしょう。

 セレモニーにやってきたジダンはまず、メフディ・エケル農業村事業大臣、クルクラーレリ県選出のヒュセイン・アヴニコシュ議員とともにオープニングセレモニーで工場始動のテープカット。同セレモニーには前述の大臣や議員のほかにも地元の有力者、村人などたくさんの人が参加したようですが、メディアをはじめ参列した人々の眼差しは世界的に有名なフランス人、ジダンに注がれるばかり。工場見学で歩いたときも、みな大臣なんてそっちのけで、ジダンのまわりに集まり、いっしょに写真を撮りたいという人の混雑で一時パニックにもなったそうです。

 さて、そんなパニックのなかでもジダンはジダン。イェニキョイの子どもたちとグランドへ繰り出し、最初は子どもたちとおしゃべりしながらリフティングをしてみたり、記念写真を撮ったり……。そのうち、革靴のままボールを蹴るのが難しいと感じたジダンは、マネージャーに持って来させたサッカーシューズにチェーンジッ! グランドにタイルを使ってゴールを作り、村の小さなサッカー選手たちとひとときプレーを楽しんだそうです。もちろん、グランドのまわりは彼を見ようと集まった老若男女で大混雑。行く先々で“ジダン・パニック”が起こったとか(そりゃそーでしょうね)。

 その後、厳重なセキュリティーに守られつつミニバスに乗ったジダンは、ババエスキ郡の東隣、リュレブルガズ郡にある小学校を訪問。子どもたちといしょに絵を描いたり、おしゃべりを楽しんだそうです。そうしたなかダノン社の社員が「ジダン」と名前の入ったフェネルバフチェのユニフォームもプレゼントしたそう(アレ? ダノンってフェネルバフチェのスポンサーだったっけ???)。
 また、子どもたちに囲まれるなか、新聞記者からトルコ代表チームや、トルコのスポーツについて聞かれたジダンは「トルコは自分たち(の強さ)を証明したチームだ。ヨーロッパでも彼らの力を見せつけたガラタサライやフェネルバフチェといったチームがある。ぼくは信じていますよ、トルコが栄光をつかむって。欧州チャンピオンズリーグでも、トルコには大きなチャンスがあると思っています」と超リップサービス。こんなことを言われて、ジダンを嫌いになれるトルコ人はいないでしょー(笑。

 こうして行く先々で“ジダン・パニック”を巻き起こしながらも、さわやかに去って行ったジダン。きっと彼といっしょにプレーした子どもたちは相当嬉しかっただろうなー。ドイツW杯のときはまだ小さくてそれほど記憶に残っていないとしても、彼がサッカー史上最も偉大な選手のひとりだってことは知っているだろうし(少なくとも親父さんやお兄ちゃんたちから聞いているでしょう)。実際インタビューしてみると「僕たちも将来、彼みたいなスター選手になりたいなぁ」と答えたようですし。トルコからジダンのような選手が生まれることを、わたしも切に願っています。

 追記:さらにRadikal/ラディカル紙をチェックしていたら『Zidane abi sahsi oynama pas ver! / ジダン・アービ、ひとりでやらないでパス出して!』という記事を発見! “ジダン・アービ”というのは、ジダン兄さんって感じでしょうか。とにかく世界のジダン相手に、同じチームになった子どもたちは「パスを出せ、出せ」と言っていたそうです。きっと大人になったら孫に語るんでしょうね、「わしは、あのジダンといっしょにプレーしたんだぞ」って(笑。

No comments:

Post a Comment