2008.05.26
映画ファンの方は既にご存知かもしれませんね、第61回カンヌ国際映画祭の結果を……。
最高賞(パルムドール)が実に21年ぶりにフランス映画の『Entre les murs(The Class)』に、特別賞が『Un Conte de Noel』のカトリーヌ・ドヌーブと、『Changeling』のクリント・イーストウッドに、グランプリがイタリア映画の『Gomorra』に贈られ、男優賞はソダーバーグ監督作『チェ』のベニチオ・デル・トロ、女優賞はブラジル映画『Linha de Passe』のサンドラ・コベルローニに決定!
そして、監督賞に輝いたのが、『Uc Maymun/三猿』を出品したトルコ人監督Nuri Bilge Ceylan/ヌリ・ビルゲ・ジェイランです
※カンヌ出品時に書いた日記はこちら
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=808081471&owner_id=8479773
WOWOWのカンヌ特集ページを見ると「パリでコンペ作品のセレクションが行われた時点で、映画祭会長ジル・ジャコブにとってのパルムドールは、ジェイラン監督作だった」そうで……。結果的にパルムドールは逃しましたが、見事監督賞を受賞しております。むむむ、これは日本でも配給の可能性が高いな・・・見逃さないようにしないと。
前回の日記では「耐え難い困難と責任から逃げることで家族は真実を無視する方を選ぶ……」と分かったような、分からなかったような説明をしておりますが、WOWOWの試写レビューによると(ちょっとネタバレ)……
「エユップは家族への金銭的援助を条件に上司の身代わりとして交通事故の加害者となり刑務所に入る。そのあいだに妻のハジェルが上司と不倫関係に。彼らの20歳になる息子イスマイルがその現場を目撃。さらに一家には幼い頃に失ったもう一人の息子がいた。刑務所から戻ったエユップは、家族の変化に気づきながらも真実を追求することができない……」とあり、かなり興味深いです。前にも少し書きましたが、おどろおどろした雲の表情がぎくしゃくする人間関係を物語るような美しすぎる映像がかなりイケてるのでは? と期待大。前に見た『移ろいの季節』と比べても、テーマが恋愛ではなく家族における人間関係だし、わたし好みのイイ線をいっている映画では……と思っています。ちなみにWOWOWサイトでは☆5つ満点中☆4つ評価。 ※写真の中央がジェイラン監督、右隣が妻のハジェル役ハティージェ・アスラン、その隣は息子イスマイル役のアフメット・ルファット・シュンゲル、監督左どなりがおそらくエユップ役ヤヴズ・ビンギョルで、そのとなりが上司役?のエルジャン・ケサル。
いずれにせよ、昨年の(トルコ系ドイツ人)ファーティ・アクンに引き続き、トルコ人監督のジェイランが受賞したのは嬉しいです。これをきっかけにトルコ映画がもっともっと日本で配給されるようになると良いのですが。ジェイラン監督作で日本で公開されたのは『移ろいの季節』のみ(しかもおそらく各地での映画祭のみ)。その前2002年製作の『Uzak/英題:Distant』はカンヌでグランプリ受賞&男優賞を受賞しているにも関わらず、日本では未公開のよう(トルコ国内での評価もかなり高かったはず)。1999年製作『Mayis Skintisi/英題:Clouds of May(ベルリン映画祭出品作)』、1997年製作『Kasaba/英題:The Small Town(ベルリン映画祭Caligari賞受賞作)』、1995年製作『Koza/英題:Cocoon (ショートフィルム/カンヌ映画祭出品作』もぜーんぶ、残念ながら日本では公開されていないようです。ぜひ、この受賞をきっかけに『Uc Maymun/三猿』をはじめ、これまでの佳作を一気に買い取って、せめてDVDで発売してくれたりしたら、いいんだけどな〜♪
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