2008-05-27

Turkce Olimpiyatlari/トルコ語オリンピック

2008.05.27

 いまトルコでは〈第6回トルコ語オリンピック〉が開かれています(5月22日開幕〜6月2日閉幕)。先日より、トルコのさまざまな新聞で目にしている〈トルコ語オリンピック〉の記事によると、今年は110の国・地域から500人を越える学生たちがトルコに集い、彼らのもつトルコ語能力を競っているとか。「110カ国が愛の言葉で出会う、競い合う」というスローガンにふさわしく、友愛に満ちたオリンピックの雰囲気が新聞記事から漂ってきます(もちろん、実際はコンテストですから真剣だろうけど)。同オリンピックは単にトルコ語でスピーチする、といった単純なものではないらしく、歌・ポエトリーリーディング・コーラス(合唱)・フォークロア(民族舞踊)・スピーチ・文法知識・母国語による作文といったカテゴリーのなかで争われています。おそらく、それぞれの部門の優勝者(組)のほか、総合優勝国なども表彰されるのでしょう。

 首都アンカラのAltinpark Kongre Merkezi/アルトゥンパルク国際会議場で週末に行われた催しでも、学生たちはアンカラはもとよりトルコ各地からやってきた人々の前で歌や詩を披露。雨のなかで開幕を待っていたトルコ人たちもいたようで高い関心がうかがえました。また、ブルサからやってきたという観客は「トルコ語が世界語になっているなんて信じられない」と言ったとか。いくら誇り高いトルコ人でも、トルコ語がグローバル・スタンダードでないことは認めざるをえません。でも、少なくともこの場所では110カ国からやってきた“外国の”学生たちがトルコ語を流暢に操り、その能力を競い合っているわけですからとにかく嬉しいはず。この日は、それぞれの国の学生が自国の文化を紹介するブースもあったようで、異なる言葉を喋り、異なる文化をもつ人々が混じり、いろんなモノ・ことを共有する素晴らしい時間を過ごしたようです。

 新聞から拾っただけでもモロッコ、韓国、モンゴル、スリランカ、モルドバ、カンボジア、トゥルクメニスタン、カザキスタン、アメリカ、パキスタン、チャド、ブルキナファソ、バングラディシュ、ボスニアヘルツェゴビナ、マダガスカル、アゼルバイジャンといった国々から学生たちが参加(残念ながら“Japonya/日本”とは書かれていませんでした)。同オリンピックも既にセミ・ファイナルまで来ているようですから、今週末に向けてますます熱く盛り上がって行くのでしょう。
 もう学生ではないからトルコ語オリンピックに出るっ!……のは無理ですが、彼らぐらいトルコ語が喋れるようになったら、理解できるようになったら……と夢を見つつ読んだ新聞記事でした。

 それに……やっぱり自分たちの国の言葉を、外国の人ががんばって覚えて喋ってくれる姿って理由なく嬉しいですよね。日本に住み、日本語を上手に喋っている人を見ると、上達するまでの苦労や努力とともに、言葉まで覚えてくれたという熱意に頭が下がります。そしてものすごーく嬉しいです。コミュニケーションの手段はもちろん言葉だけではないけれど、その大切な一部であることは間違いありません。言葉遣い、言葉の起源、ことわざや慣用句ひとつとってもそれぞれの文化を色濃く映している言葉。わたしも諦めずにがんばって、もっともっといろんなことを勉強していきたいです(……と、そういう気持ちにさせてくれた“トルコ語オリンピック”でした)。

 ※写真はすべて2008.05.26付けのZaman/ザマン紙から

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