2008.06.06
日本のニュースでも取り上げられているのでご存知の方も多いかと思いますが、いまトルコのアブドゥッラー・ギュル大統領が訪日中です。先日、6月4日に日本到着。きのうは天皇皇后両陛下との昼食会もあったそうで。
ギュル大統領の訪日がトルコでどう報じられているか、とても気になっていたのですが今週はなかなか時間がなくてトルコの新聞がチェックできませんでした。今朝、新聞各紙を見てみるとHurriyet/ヒューリエット紙とMilliyet/ミリイェット紙ではそれらしき記事が見つかりません(きのうはあったのかもしれないけれど、トップページのトピックには出ていませんでした)。大統領(&ハイリュンニサ夫人)の訪日記事を取り上げていたのは……
◎Radikal/ラディカル紙『ギュル夫妻、天皇と食事』
「日本の天皇と皇后が示された礼儀正しさ、静粛さ、誠実さは最もギュル大統領の関心を惹いた。会見では文化や歴史をはじめ経済問題についても触れられた。またギュル大統領はトルコにおいて2010年が〈日本年〉であることをアピールし、天皇を招待。天皇もこの招待を日本政府に伝えると言った」
「ギュル大統領は天皇にエルトゥールル号の模型を、皇后には桜の花がモチーフのブローチを、三笠宮様にはカフスボタンをプレゼントした」
「また、ギュル大統領が(別の)会見をしているあいだ、ハイリュンニサ夫人は別行動で日本の寺を訪問。何人かの日本人はファースト・レディーの写真を撮り、夫人も手を振って応えた」
↑両陛下と会われたときの映像をテレビで見ましたが、なんだか可愛らしかったです。さすがに緊張されているのでしょうか。写真撮影のための立ち位置とかが分からなくてアタフタしている初々しさが(特にハイリュンニサ夫人)微笑ましい感じでした。
◎Sabah/サバフ紙『トルコの開拓を!その中心はイスタンブルに!』
「日本訪問の2日目を企業家たちとともにスタートしたギュル大統領は、三菱、冨士、トヨタ、双日、伊藤忠、三井の社長たちと朝食で会見。『短期ではなく長𨛺投資を考えてください。トルコは中東、欧州、アジアをつなぐ架け橋です。あなたがたの会社の地域的ハブをトルコにシフトしてください。イスタンブルに来てください』と呼びかけた。企業家たちは『イスタンブルをハブとする場合の一番大きな問題は飛行機と輸送だ』と語った。ギュルは、何人かのゼネラル・マネージャーと夕方に対面会合を行い、再びトルコへの投資を呼びかけた」
◎Vatan/ヴァタン紙『信心深いムスリムの方々』
「ギュル大統領とハイリュンニサ夫人は日本のメディアに〈信心深いムスリム〉として紹介された。ハイリュンニサ夫人はまた〈トルコで初めてのスカーフをしたファースト・レディー〉であると言われた」
「ギュル大統領は国際報道クラブが開催したカンファレンスで、AKPの閉鎖訴訟、PKK問題、イランの核開発といった話題についても触れた」
「トルコ日本企業フォーラムでもスピーチしたギュルは、トルコが投資対象として魅力的であると語った」
「ハイリュンニサ・ギュル(夫人)は、日本の有名な桜寺を訪れた際、期待に反して着物を着なかった」
↑同記事の読者投稿では“inancli muslumanlar/信心深いムスリム”という言葉に意見が集中してました。どうやらトルコ人の感情を害したみたい。曰く「信心深いムスリム、信心深くないムスリムなんてものはない。シャーリア=イスラム法を支持するムスリム、世俗のムスリムならあるけど」「ってことは信心深くないムスリムもいたってこと? いやー知らなかった(←皮肉)」
◎Zaman/ザマン紙『日本の天皇からギュルへ トルコもわたしたちと同じく伝統を大切にしながら近代化しています』
数日ぶりにトルコの新聞をざっと見ると憲法裁判所でトゥルバンのこととか、AKPの存在そのものが違憲であるといった議論が行われているようで、そっちの方が大ニュース。ギュル大統領も日本にいながらトルコのことが気になって仕方がないのではないでしょうか(報道クラブでの会見でも語ってますし)。
そんななかギュル大統領は明日来阪。まず和歌山の串本町を訪れエルトゥールル号遭難の追悼式典などに参加予定です。串本町での滞在は4時間。夜には大阪国際会議場内でシャマン・グルプというトルコのダンスグループが公演を行うのですが、これにギュル大統領が現れるのか、現れないのか? 翌8日の午前中には関空から離日されるとのことなので本当に過密スケジュールです(わざわざ13時間もかけてやってきて、京都観光もなしなのね〜。ちょっと可哀想)。
なお、前述のダンス公演は定員1200名なのでまだ間に合うかも! 興味がある人は行ってみてください。
● シャマン・グルプ トルコ舞踊団公演
オフィシャルウェブサイト
6月7日(土)19:00〜
グランキューブ大阪(大阪国際会議場)
リーがロイヤルホテル隣り
※JR大阪駅からはホテルへのシャトルバスが出ているので利用できます。
問い合わせは、在日トルコ共和国大使館 03-3470-5131
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