
EURO2008準々決勝、クロアチア vs トルコ。前評判としては互角でした。クロアチアは3連勝、トルコは劇的な逆転勝利で2試合を制してベスト8へ。予想に違わず互角の戦いだったと思います。DFの後ろに抜ける意識の高いクロアチア(しかも足が速いっ!! )、細かくパスをつなぐスタイルのトルコ。前半は拮抗した試合でしたが勢いはトルコにあるように感じました(贔屓目?)。クロアチアはクロスバーに当たる惜しいシュートもありましたが、前半はパスをつないでゴール前まで……というトルコのサッカーができていたように思います。ただ気になったのがGKのリュストゥ。どうも動きがおかしい。久々の試合で浮き足立っていたのでしょうか? ボールと相手FWと、自分の距離が測れていないというか、飛び出してボールを押さえるのか、ガマンして待って相手の動きを見るのか、判断できずに迷うシーンが多かった。前述のクロスバーを叩いたシーンも、リュストゥの迷いが危険なプレーにつながったもののように見えました。もちろん、そのまえにトルコDFが相手に抜かれてしまってはいたのですが。ま、そうしたスリルもあり、なかなか見応えのある前半でした。
が、後半。試合のおもしろさがガクンと落ちます。まず、トルコが動けなくなり、パスの出しどころがなくてバックパス……といういつもの悪循環パターンに陥ります。クロアチアも前半ほどの動きがなかったのですが、どちらかというとロングボールを通すスタイルのため何度かチャンスは作っていました。ただ試合そのもののダイナミズムに欠ける45分だったように思います。前半からあまり調子の良くなかったカズム・カズムも交代したのですが代わりに入ったウール・ボラルもいまいち。トルコは何度かピンチを迎えつつも、なんとか無失点のまま延長戦に突入しました。


ゴールタイムは120+2でした。つまり延長後半の終了とほぼ同時。おそらく最後の攻撃だったと思います。あれで一度流れが切れたら審判は試合修了の笛を吹いていたでしょう。GKリュストゥからの長ーいゴールキック。それを前線でヘッドで競った直後、ニハトの交代で入ったセミヒ・シェントゥルクが奇跡のゴールをあげたのです。残り1分の時点で相手チームに先制された後。試合を見ていた誰もがトルコの敗戦を覚悟したに違いありません。でも、今EUROのトルコは最後まで諦めないのです。蘇るのです。クロアチアの監督ビリッチは審判に抗議をしていました。もう試合終了だったじゃないかと。その気持ちは分かります。ほぼ準決勝進出を確信した直後のことでしたから。※上の写真がクロアチアゴールシーン、下がゴールを決めたトルコのセミヒ。

諦めないって、すごい。最後の最後まで戦いつづけるって美しいです。トルコはもちろん、クロアチアの選手たちにも拍手を送りたい試合でした。今回はUefa.comのPay per viewで1試合を買って(15ユーロ)見ました。こうなったら次も買わなくちゃっ!!!
追記*いま、試合のハイライトを見ました。生放送中は大興奮しているのでそれほど感じませんでしたが、やっぱりPKってのは何とも切ないものですね。120分フルで戦い抜いたあとのPK。オシム前日本代表監督はPK戦を見ないので有名でしたが、やっぱりサッカーをよく知る者としてPK戦のむごさ、切なさを知っているんでしょうね、きっと。でも、クロアチアの選手たちはこの悔しさを忘れないと思います。ビリッチ監督は2010年まで契約を延長しているようだし(欧州のクラブチームからの監督オファーを断って。小国の代表監督なんて給料も知れているのに)、次のW杯ではぜひクロアチアに注目したいと思います。
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