2007-10-03

ファーティ・アクン続報


2007.10.03 PM8:00

 きのうの日記に、映画監督ファーティ・アクンが「トルコで兵役には就かない。必要とあらば、トルコ国籍/市民権を捨てる」と言った、という新聞記事について書きました。このコメントについてHurriyet/ヒューリエット紙の読者アンケートで結構辛辣な結果が出ていましたが、今朝、同紙のインターネット版をチェックすると、早速「ファーティ・アクン 訂正する」という記事を見つけました。記事の日付を見ると、2 Ekim 2007 となってましたから、もともとの記事、アンケート結果が出たのと同じ日にアクン監督のコメントも出ていたことになります。

 その内容は、、、要約すると「わたしの表現不足により誤解があったようです。わたしは、トルコでだけでなく、世界中のどこでも、いかなる理由があろうと、この手に武器をもつことに抵抗(反対)しているのです。わたしのただひとつの武器は、カメラとペンです。自分自身をより良く表現することができる映画監督してシナリオを書き、映画を撮っています。わたしは武器(あるいは暴力)に対してどれほど抵抗(反対)しているかを強調するために誇張した表現を使ったのであり、トルコ国籍/市民権を捨てるといった意図では決してありません。わたしはひとりのヒューマニストであり、そしてトルコをとても愛しています」

 なかなか役者ねー、アクン監督も。トルコ国民がどう反応するかを読んだコメントだなと思います(「わたしはトルコをとても愛しています」と言い切ってますからね)。訂正している時期も早いし。
 でもね「この手に武器を持つことに抵抗する」ってことは、やっぱり「トルコで兵役には就かない」ってことなのよね。「トルコでだけでなく、世界中のどこにいようと、いかなる理由があろうと」と、場所を世界に広げることで焦点をぼんやりとさせているけど、トルコで兵役に就かない=国籍離脱ってことになるんじゃないかなー。トルコで兵役免除はないから。オリンピックで金メダルを取ろうが、ワールドカップで3位になろうが、たとえウィンブルドンで優勝したって、やっぱり兵役には就かないといけない。

 ひとりのヒューマニストとして武器や戦争という名の暴力に抵抗する、という主義は認めてもらえるかもしれないけど、それでも兵役は免除にならない。それを逃れる方法はひとつ。トルコ国籍ではなく、ドイツ国籍を選ぶこと。さて、アクン監督はどうなさるのでしょう?

 ところで・・・トルコでは男子たるもの兵役に就くのが当たり前(義務だからだけど)となっていますが、もし、日本と同じように希望する者だけが、いわゆる職業軍人として働くという制度になったら、いったいどれくらいのトルコ人が志願するのでしょうね?

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