2007-09-17
ラマザンがはじまった
2007.09.17 AM7:00
ここ数日、日記をお休みしてしまったのには訳がありまして……。というのも9月に入って以来、新学期の始まる大学生たちが入寮し始め、彼女たちと過ごす時間が増えてしまって、なかなかパソコンに向かう時間が取れなかったのです。
そんななか先週水曜日の夜からラマザン(断食月)がスタート。モスリムでないわたしも、せっかくトルコにいるし……と試しにトライしてみたのですが散々でした。朝起きて、なーんにも食べず、タバコも吸わず学校に行ったら、まったく脳が起きていない。ボーッとするし、眠気はひっきりなしに襲ってくるし、その日何をしたのかも定かではないような状態で、寮に帰ってからは横になってひたすら時間が過ぎるのを凌ぎました。
日本で働いている時だって夜まで何も食べずに……なんてことは当たり前だったので「楽勝じゃーん」と思ってましたが、コーヒーもお茶も何も飲まず、バナナとかヨーグルトとか軽いものも一切摂らず……というのは想像以上にたいへんでした。とにかく脳が機能しない。お腹が空くという感覚よりも、頭がボーッとして動かないというのが辛かったです。トルコ語を勉強しに来ているのに、これじゃあ本末転倒だな……と思って1日で挫折しました(←自分に甘いというか、何と言うか。そもそも「断食やります」なんて安易に口にしたことが恥ずかしー)。でも、この日、Aksam Ezan/アクシャム・エザーン(夕方7時12分だったかな?)が聞こえたときほど「ありがたいっ」と思ったことはありませんでした。いつもは全然気にしていない、気にしても「あぁ、いま何時頃なんだな」と思う程度だったのに、この日は「もうすぐ、もうすぐ」と心待ちにしてました。
でもね、まわりを見てて思ったんですが、断食するよーと言ってる学生たちも意外とゆる〜い感じなんです。「断食はするけど、タバコとチャイは飲んでるんだ」とか、「きょうは病気だから食べるんだ」とか。「やってるよ」と言ってるのに、昼日中ふと近くのカフェで見かけたり……。もちろん、真剣に一切飲まず喰わず、断食のルールを守っている学生もいます。一方で前述のようにゆる〜い感じだったり、そもそも断食をしていなかったり。いろいろなんですね。
一方で、モスリムでもないのにする必要なんてないでしょーという人もいました(寮のマネージャーやオーナー←彼女たちはしていない)。彼女たちは筋金入りのセキュラリスト/世俗主義だし(スカーフも嫌っている)、信仰心を理由としない断食を快く思っていなかったのかもしれません。
でも、神のような存在・・・というのはあるんじゃないかと思っています。これまで学んで来たなかではネイティヴ・アメリカンの“Great Sprit/グレート・スピリット”が、わたしの考える“神”に一番近いです(日本の八百万の神も感覚的にわかる)。何と言うか、わたしのなかにある神は名前をもたない。空気、あるいは宇宙のような存在です。
ちょっと調べたら、Wikipediaの「神」の項に仏陀のこんな対話が載っていました。
朝、ある人が来て仏陀に質問した。
「神は存在しますか?」。仏陀は「存在しない」と答えた。
昼に、別の人が来て仏陀に質問した。
「神は存在しますか?」。仏陀は「存在する」と答えた。
夜になって、また別の人が来て仏陀に質問した。
「神は存在しますか?」。仏陀は目を閉じた。質問した人物も目を閉じて座っていた。そこに長い沈黙があり、しばらくして質問者は涙を流しながら、「ありがとうございました」と言って帰って行った。
深夜になって、アーナンダ(仏陀のいとこで、仏陀のそばで世話をしている人)は仏陀に質問した。「朝、昼、夜のあなたの答えは私を混乱させます。どうか説明してください」
仏陀は答えた。「まず第一にそれはあなたに対して答えられたものではない。あなたはそれを自分への言葉として受け取るべきではなかった」
「朝来た人物は有神論者だった。私が神が存在すると言ったら、それは彼の信じ込みを強めるだけだった。昼来た人物は無神論者だった。私が神は存在しないと言ったら、それも彼の信じ込みを強めて、真理への到達の邪魔をするだけだった。夜来た人物は、信じ込むタイプの人物ではなく、真実を知る準備ができていた。私は真実を示し、彼はそれを受け取って帰って行った。アーナンダよ、真実は語ることは出来ない。私は道を指し示すことができるだけだ」
むー、深い。「真実は語ることはできない。道を示すことができるだけだ」とは。でも核心を突いているかもしれません、これ。確かに、言葉で説明できることなんて限られているのかもしれません。それに心で理解しなければ意味がない。
あー、宗教って興味深い。
※写真はアンカラのKocatepe Camii/コジャテペ・ジャーミーの内部。ジャーミーのステンドグラスとか窓って、なんか神秘的で神を信じさせるような効果があるような気がする。。。
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