2008.03.04
(2008.02.28の日記から)
Hurriyet/ヒューリエット紙と、Yeni Safak/イェニ・サファク紙で見つけたトルコニュース(たぶん、ほかのメディアでも取り上げたはずですが)。
きょうのお題は『新しい顔は誰に?』
トルコを旅行したことがある人なら、きっと気付いたではずトルコの紙幣。現在使われているYTL(Yeni Turk Lirasi/新しいトルコリラ)でも、1・5・10・20・50・100……とすべてのお札に建国の父アタチュルクの肖像画がプリントされています(確か、硬貨もすべて???だった気が……)。
なんで全部アタチュルク? と、さまざまな人物の紙幣を見て育ってきたわたしからすれば不思議だったのですが、確かに“王様大好き”の国タイも紙幣の人物画はすべて現国王。ちょっと調べたらブータンやブルネイなど、国王の存在する国では全通貨が同一人物って珍しくないようです(マレーシアはラーマン首相という歴史上の重要人物で統一)。
さて・・・現在の通貨はYTL(新しいトルコリラ)と言っているように2005年1月1日から新しく発行されたもの。100万TLを1YTLとするデノミネーションが行われ、現在のカタチになったわけです。
が、来年2008年1月1日から、新しいの“Y”を取った新しいTL(トルコリラ)の時代が幕を開けます(“新しい”を取ったのに、新しいトルコリラとはややこしいな……)。
両紙ではこう書かれていました。
「紙幣のサイズから色、デザイン、偽造防止のための方法まですべて変更される。それほど要望のない1YTL紙幣が市場から姿を消すとき、200TLの新紙幣が登場する」と。
そ・こ・で、注目されるのはアタチュルク以外の人物画が採用されるかどうか。記事によると「来年初めから通貨として流通するTLにおいては、トルコの歴史上重要な位置を占める人物の絵柄が採用される」と明らかにされているのですが、「この人物が誰であるか?」はまだ決定されていないのだとか(今秋発表予定)。
現在のところ、有力候補とされているのが「トルコ語、トルコ文学における最も偉大な詩人のひとりであり、数学者、思想家、さらには音楽や芸術に関しても重要な人物であるユヌス・エムレ」。さらに「エルズルムを敵(当時のロシア)の占領から守り、重要な戦果をあげた女性、ネネ・ハトゥン」も候補者のひとり。
果たして、来年から流通する新通貨にアタチュルク以外の人物が登場するのか、それともアタチュルクのままなのか。トゥルバン論議や世俗主義の危機が叫ばれる昨今だけに、この新通貨のデザインについても波紋を呼びそうな気配が漂っています・・・。
ユヌス・エムレ=1238(?)〜1320(?) トルコで初めて口語のトルコ語で詩を書いたとして知られる詩人(当時はアラビア語やペルシャ語を用いるのが普通)。スーフィー神秘主義者でもありました。彼の書く詩は、神の愛や人間の運命に関係したものが多く、トルコだけでなく欧米でも高く評価されています(写真はイスタンブルにあるユヌス像)
ネネ・ハトゥン=1857〜1955(享年98歳っ!) 1877〜78年にかけて勃発したロシア・トルコ戦争において多大な貢献をした勇敢なヒロイン。エルズルムに侵攻してきたロシア軍に対抗したのはトルコ軍だけでなく、街の一般女性のボランティアによる反撃だったそうで、そのなかでも最も英雄的であり、勇敢さのシンボルとして称えられたのがこの女性。彼女は、トルコで“母のなかの母”として知られています(写真は彼女が戦ったエルズルム県アズィズィイェの要塞跡に建てられた記念碑)。
※写真はともにWikipediaから
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