2008-03-26

完璧であること

2008.03.26
 先日トルコの友人からメールが来ました。そこに、ある物語が書いてありました。

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 中国のお話です。
 ある男が、毎日首に担いだ棒の両端に取り付けた水瓶で、谷から家まで水を運んでいました。2つの水瓶のうち、ひとつにはヒビがありました。もうひとつはと言うとヒビもなく完璧で、水汲みのときにはいつも男が満たした水をすべて家まできちんと届けていました。ところがヒビのある方は、家に着いた頃に水の半分を道中に失っていました。こうして2年の月日が過ぎました。

 男はふたつの水瓶を水でいっぱいにしたけれど、家に着く頃には水瓶1.5杯分の水しか残っていません。ヒビのない完璧な水瓶は自分の任務を完璧にまっとうしていたので、とても得意になっていました。一方、ヒビのある、あわれな欠陥ものの水瓶は自分を恥じていました。自分に満たされた水のわずか半分しか家に届けることができず、とても悲しんでいたのです。

 2年後のある日、自分の仕事がこなせていないと考えた水瓶は、川の土手で男にこう言いました。
「自分を恥じています。このヒビのせいで水は家に着くまでに漏れてしまいます」。
男は微笑みながら水瓶の方を振り返り、こう答えました。
「お前には見えていなかったのか? 道のおまえの側には花がいっぱいに咲き誇っている。けれど、完璧な水瓶の側には何もない。わたしは最初からお前の欠点を、ヒビがあるってことを知っていた。だから、お前の側に花の種を蒔いたんだ。この2年のあいだ、道に咲いた美しい花を集めて、家に飾っているんだよ。お前が完璧だったら、そのヒビがなかったら、わたしの家に、花の美しさ、優雅さを持ち帰ることはできなかったはずだよ」と。


 実際、わたしたちはみんなそれぞれ、ヒビのある水瓶です。わたしたちみんな、それぞれに固有の欠点を持っています。けれど、わたしたちが持っているこの欠点こそが、ヒビこそが、人生をおもしろくし、褒美を与え、彩っているのです。
 わたしたちの周りにいるすべての人を、あるがままに受け入れてください。彼らがもつ欠点でなく、心のなかにある美しさを見てください。
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 この話、どこかで聞いた覚えがあります。それが誰からなのか、どこでなのか、まったく思い出せないのだけれど。そして、すっかり忘れてしまっていました。この物語を読むまで。そして、いまはうららかな春の陽気が、からだのなかにまでしみ込んできた気分です。この物語をメールしてくれた友人に感謝♪ そして、わたしと同じような気持ちに誰かがなってくれたらいいな・・・と思って日記に書きました。読んでくれて、ありがとう。

 ※写真はWikipedia/チューリップの項から(オレゴン州ウッドバーンのチューリップ・フェスティバルだそう)。

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