2008-03-28

EU規準

2008.03.28

 EU加盟を目指しているトルコでは、さまざまなところでEU規準への適合が推進されています。わたしが通った語学学校トメルでも、試験はすべてEU規準に適合した、スピーキングを重視したものに変わっていました(でも、教科書は何年も前から同じ。新しいのは準備中……なんか本末転倒なような???)。

 さて、きのう付けのHurriyet/ヒューリエット紙の記事によると、イスタンブルの交通機関においてもEU規準適合に向けて一連の対策が講じられているのだとか。その内容はと言うと・・・
◎ミニバス、ドルムシュ、バスに対し、立ったままの乗客を乗せることに
 制限が設けられる。
◎乗車時間とシートの数により3人、5人あるいは7人まで立ったままの
 乗車が可能。
◎乗車時間が15分を越える路線を走るバスは、立ったままの乗客を
 乗せられない。

 ひょぉ〜、すごく厳しい。こんな規準があったら、いま京都市内を走っている京都市バスはほとんどアウト。ゼッタイEUになんて加盟できません(できないけど)。トルコだって朝夕の通勤時間帯には立ったままの乗客でギュウギュウのはず。それが乗せられないとなったら、公共の交通機関を使う人はさらに減り、自家用車族が増えて、ますます交通渋滞がひどくなるんじゃないでしょうか。あるいは、バス待ちで通勤時間がさらに長くなって2〜3時間になってしまうとか。朝8時に出勤する人が5時に家を出ないといけなくなったら、あまりにひどい処置と言わざるを得ません。

 もちろん、安全のためには立ったままより座った方が良いに決まっているけど、イスタンブルのような大都市でこれはあり得ないんじゃないでしょーか。最近は少なくなってきたようにも感じますが、トルコではお年寄りに席をゆずる、女性に席をゆずる、という行為も日本よりはるかに多いし、実際公共の交通機関を利用していて、立っていたために大きな事故になったという例も多くはないような気がします(それより車のスピードの出し過ぎが・・・)。

 上記のほかにも、EU規準に適合するため・・・として
◎救急車や消防車が交差点を高速に通過することを保証する、
 信号を緑に変えるシステムの実用化
◎車線のペンキにリンを含んだ材料を使用し、暗闇でも見えるようにする。
◎すべての交通機関は障害者に合わせて新しく整備される。
◎視覚障害者のために道に誘導ブロックが設置される。
◎歩道の高さを一定規準に合わせる。

 すべて実現できれば良いには違いありません。
でも、果たしてEU加盟国のなかでこれらを実現している国(地域)って、どれくらいあるのでしょうか。ロンドンやパリ、ベルリン、ローマ、アムステルダムなど、すべてこの規準を満たしているのか疑問です。 さらに言えば、近年加盟した国々の首都、ワルシャワ(ポーランド)、ブダペスト(ハンガリー)、プラハ(チェコ)、リャブリャナ(スロベニア)、ブラチスラバ(スロバキア)、タリン(エストニア)、リガ(ラトビア)、ビリニュス(リトアニア)、ニコシア(キプロス)、バレッタ(マルタ)、ブカレスト(ルーマニア)、ソフィア(ブルガリア)は?  自分の目で見たわけではないし、それぞれの国でこの規準に向けた努力は始まっているのかもしれません。加盟候補国として、トルコがそれに向けた努力を始めようというのも分からないではありません。・・・が、これをしなければ加盟できないというならEU規準そのものに疑問を感じてしまいます。

 独立独歩じゃダメなのかな、トルコは。もちろん、徐々に交通機関や設備を整備する必要はあると思いますが、それはEUのためではなく、住んでいる市民のためになるよう努力してほしいです。

 ※写真は、上記記事から。

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