2008-03-04

白い天国パムッカレ

2008.03.04
(2008.02.29の日記から)



 トルコに興味がある人なら、きっと誰もが知っているパムッカレ。“白い天国”とも称される〈パムッカレ〉とは、もともと〈綿の宮殿〉という意味なんだとか。
 わたしも実際にこの目で見て、この手で触れてきましたが、石灰棚の壮大な景色は360℃に解放した眺めとともに心に残っています。青空がスコーンとぬけるほどに天気も良かったのだけれど、いかんせん真冬(2月)。かじかんだ手に、パムッカレの温泉はじわ〜っと沁みました。

 その美しさ、自然の驚異の見事さで、世界中から観光客を惹きつけて止まないパムッカレですが、実は20世紀の観光ラッシュに対応するため数多くのホテルが建設され、このときに白く輝く石灰棚、その一番上にある古代都市遺跡ヒエラロポリスが大きなダメージを受けたと言われています。1988年にはユネスコの世界遺産にも登録され、その保護下に入ったのでダメージの一部は回復した、とも言わていたのですが・・・

 きょう新聞をチェックしていたら、こんな記事が。

 『世界文化遺産パムッカレでスキャンダル』

 えー? 何々? とワイドショー根性丸出しで読んでみると、クレオパトラも泳いだ!と言われる古代プール周辺にある建築物取り壊しに際し、不注意に掘削が行われた結果、こともあろうにその古代プールに泥水が流れ込んでしまったのだとか。デニズリ知事は「工事のせいで水が濁るのは自然なこと」と意に関していないようですが、こうした文化遺産や自然生物の保護協会から派遣された人は「恥ずべき行為」として批判。「考古学価値のある場所で、巨大な掘削機械などを用いて掘るのは間違いだ」と痛烈に語っています。

 もちろん、この工事もパムッカレの観光資源としての価値を高めるために行われたものだとは思いますが、それで歴史文化遺産にダメージを与えてしまっては元も子もないわけで・・・。せっかくの自然芸術、大事に、大事に守っていってほしいです(切なる願い ; >人<)。壮大な自然と長い長い時間が生んだ、人間には決して作れないものなのだから。

 写真はWikipediaから。
 石灰棚の上から下まで、靴を脱いで裸足でおりる……というツアーだったのに、そのとき参加していたわたしを含むスペイン人2人と韓国人2人は、すっかり空腹で「早くご飯が食べたいっ!」とウォーキングを拒否。あのとき、食い意地張らずにみんなを説得していれば良かったぁ〜と少し後悔しています。

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