2007-08-12
いろいろ考えた日曜日
2007.08.12 PM9:30
きのう、友だちが兵役義務に就くためにアンタルヤに向けて旅立ちました。
きょうは、学校の宿題で「もし、将来有力で権威ある者のひとりになったら、まず最初に国のどの問題を解決したいと思いますか? なぜ?」の問いに答える作文を書きました。“将来”では間に合わないけど、いま何かできるとしたら憲法改正の動きを押し止め、これまで誇りにしてきた平和憲法を守りたい、それがわたしの書いたことです。
それから何となく気になっていろいろ調べていたら、こんなものが見つかったので転載したいと思います。非営利的使用で、著作権関係を明記すれば転載できると書いてあったので。ちょっと長くなりますが、ぜひぜひ読んでください。
「戦争のつくりかた」
あなたは戦争がどういうものか、知っていますか?
おじいさんやおばあさんから、むかしのことを聞いたことがあるかもしれません。学校の先生が、戦争の話をしてくれたかもしれません。
話に聞いたことはなくても、テレビで、戦争している国を見たことなら、あるでしょう。
わたしたちの国は、60年ちかくまえに、「戦争しない」と決めました。だからあなたは、戦争のためになにかをしたことがありません。
でも、国のしくみやきまりをすこしずつ変えていけば、戦争しないと決めた国も、戦争できる国になります。
そのあいだには、たとえば、こんなことがおこります。
わたしたちの国を守るだけだった自衛隊が、武器を持ってよその国にでかけるようになります。世界の平和を守るため、戦争でこまっている人びとを助けるため、と言って。
せめられそうだと思ったら、先にこっちからせめる、とも言うようになります。
戦争のことは、ほんの何人かの政府の人たちで決めていい、というきまりを作ります。
ほかの人には、「戦争することにしたよ」と言います。時間がなければ、あとで。
政府が、戦争するとか、戦争するかもしれない、と決めると、テレビやラジオや新聞は、政府が発表したとおりのことを言うようになります。政府につごうのわるいことは言わない、というきまりも作ります。
みんなで、ふだんから、戦争のときのための練習をします。なんかへんだな、と思っても、「どうして?」とは聞けません。聞けるような感じではありません。
学校では、いい国民は何をしなければならないか、をおそわります。どんな国やどんな人が悪者か、もおそわります。
町のあちこちに、カメラがつけられます。いい国民ではない人を見つけるために。
わたしたちも、おたがいを見張ります。いい国民ではない人がまわりにいないか と。
だれかのことを、いい国民ではない人かも、と思ったら、おまわりさんに知らせます。おまわりさんは、いい国民ではないかもしれない人をつかまえます。
戦争が起こったり起こりそうなときは、お店の品物や、 あなたの家や土地を、軍隊が自由に使える、というきまりを作ります。
いろんな人が軍隊の仕事を手伝う、というきまりも。
たとえば、飛行機のパイロット、お医者さん、看護師さん、トラックの運転手さん、ガソリンスタンドの人、建設会社の人などです。
戦争には、お金がたくさんかかります。
そこで政府は、税金をふやしたり、わたしたちのくらしのために使うはずのお金をへらしたり、わたしたちからも借りたりして、お金を集めます。
みかたの国が戦争するときには、お金をあげたりもします。
わたしたちの国の「憲法」は、「戦争しない」 と決めています。
「憲法」は、政府がやるべきことと、やってはいけないことをわたしたちが決めた、国のおおもとのきまりです。戦争したい人たちには、つごうのわるいきまりです。
そこで、「わたしたちの国は、戦争に参加できる」と、「憲法」 を書きかえます。
さあ、これで、わたしたちの国は戦争できる国になりました。
政府が戦争すると決めたら、あなたは、国のために命を捨てることができます。
政府が、「これは国際貢献だ」と言えば、そのために命を捨てることができます。
戦争で人を殺すこともできます。
おとうさんやおかあさんや、学校の友だちや先生や、近所の人たちが、戦争のために死んでも、悲しむことはありません。政府はほめてくれます。国や「国際貢献」のために、いいことをしたのですから。
人のいのちが世の中で一番たいせつだと、今までおそわってきたのは、間違いになりました。
一番たいせつなのは、「国」になったのです。
もしあなたが、「そんなのはいやだ」と思ったら、お願いがあります。
ここに書いてあることがひとつでもおこっていると気づいたら、おとなたちに、「たいへんだよ、なんとかしようよ」と言ってください。
おとなは、「いそがしい」とか言って、こういうことになかなか気づこうとしませんから。
わたしたちは、未来をつくりだすことができます。
戦争しない方法をえらびとることも。
「戦争のつくりかた」文:りぼん・ぷろじぇくと
絵:井上ヤスミチ 氏
=「戦争のつくりかた」の著作権について=
「戦争のつくりかた」の著作権は、りぼん・ぷろじぇくと、及び井上ヤスミチ氏に帰属します。版権は株式会社マガジンハウスに帰属します。
友だちは兵役とは言え、結局アンタルヤのジャンダルマ(内務省に所属し、国境警備・国内の治安維持・主要施設の警備・交通取締りといった“警察任務”を主体とする組織。一方で軍事組織としての性格を併せ持ち、機関銃・迫撃砲・対戦車ロケット砲などの重火器も保有〈戦車、装甲車は不保有〉。有事にはトルコ陸軍の指揮下にはいる ※以上Wikipediaより抜粋)へ。陸軍とかじゃなくジャンダルマで良かった、というのが正直な思いですが、それでも親しい友だちが兵役に就くという事実を受け止めるのが難しく、心は落ち着きません。トルコ国民ではない私が、トルコの兵役システムについてどうこう言う資格はないかもしれませんが、日本のことなら言えます。わたしは、心から「憲法第9条を世界遺産に」してほしいです。「違法に押し付けられた憲法をありがたがっている」と言われようと「軍事アレルギーだ」と言われようと、世界中探したって、こんなに素晴らしいものはないのだから(あ、コスタリカにはありますね)。充分、世界遺産に匹敵すると思います。戦争をしない、戦力をもたない、というのは自衛を放棄するものなんでしょうか? 国際社会における責任放棄になるんでしょうか? でもそれは何のための、どんな責任?なんでしょうか。
※写真は上から絵本『戦争のつくりかた(マガジンハウス刊)』、『世界がもし100人の村だったら』でも知られるC・ダグラス・ラミス氏の『日本は本当に平和憲法を捨てるのですか?(平凡社刊)』、そして太田光と中沢新一の対論集『憲法九条を世界遺産に(集英社新書)』
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Hello !
ReplyDeleteI have visited your blog. It has been a pleasure to read you.
I wish you the best.
Damn Receipt.